孤独な老人はぬぐるみ人形か

 

 今年の流行語大賞のベストテン入りまず間違いないのは、「〇〇ファースト」であろう。
 「アメリカファースト」「都民ファースト」「国民ファースト」「カミさんファースト」(これは誰かさんへのゴマすり)・・・etc。

 ともあれひと言でいえば、要するに「自分ファースト」。
 言い直せば「自己中」。わざわざ横文字使ってうれしがらなくても、大昔からあった。
 ・・・っていうか、人間のいるところどこにでもゴロゴロ転がっている最も人間的な人間の姿だ。

 先だって(7月下旬)、8人の男を殺した容疑で逮捕されていた筧千佐子という女(68)が、ついに容疑の一部を認め始めたと新聞が報じていた。

 また最近死刑が確定した木嶋佳苗という女(42)は、練炭を使って3人の男を中毒死させ、ほかに二人の不審死との関連性も疑われている。

 この連続殺人の2人の女は、1人は還暦超えの老女で、あと1人は中年のデブ女だ。どこから見ても美人とかチャーミングとかいう言葉にはほど遠い。

 そんな女らが、自分さえよければ良い・・・とばかりに、何人もの男たちをつぎつぎと殺した。彼らの虎の子を巻き上げて・・・。
 それも、古くなって壊れかけたぬいぐるみ人形の手足でも引きちぎるように、気楽そうにである。

 殺されるほうも殺されるほうだ。あんな低レベルの女にひっかかって手玉に取られるなんて、ましてや大切な金と命を奪われるなんて、よっぽど頭の悪い男たちだ、そして長い女ひでりだったんだろう・・・と蔑みの目で見る人たちがいるのは、わしも知ってる。ネット上でもちょくちょく目にする。

 だが、そんなもの言いをする連中には、わしはくみしない。

 人間は人それぞれだ。スタイルのよしあしも、顔の美醜も、さらには頭のよしあしも才能のあるなしも、みんなそれぞれがもって生まれた運命の結果だ。個人でどうこうできる問題ではない。

 人間は結局みんな、配られたカードで勝負する以外にないのだ。

 上記の2人の女に殺された男たちは、多くが老境に入った男たちである。
 彼らも、与えられたおのれの星のもとで、それなりにけんめいに生きてきたに違いない。嫌な上司や横柄な取引先の勝手を耐え忍びつつ、ちびちびと小金を貯めたのだろう。その金を差し出しても惜しくないと思うほど、人生の終着駅の待合室で孤独の寒さに身を震わせていたのにちがいない。

 そういう人間だっているのだ。その弱みを狙われて金を巻き上げられ、殺された。ちょっとでも彼らの身になってみると、
「この世はリフジンだ!!」と叫びたくなる。

 夏なのに体がすこし冷えてきた。
 気分転換に、警察勤めの知人の息子さんがいつかしてくれた話で締めくくろう。
 ある日、ちゃんとしたサラリーマン風の中年男が、額を白くし息せき切って警察へ駆け込んできた。
「ついカッとなって、ヨメさんに暴力を振ってしいました。DVで逮捕してください!」
 そう言って、自分を留置場に入れてくれるように頼んだ。応対した警官が訊いた。
「それで奥さんの被害はどの程度なんです? まさか亡くなられたんじゃないでしょうね」
「ピンピンしてます。死んでたら警察の保護を求めたりしません」

ポチッとしてもらえると、張り合いが出て、老骨にムチ打てるよ

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