出したいのに出ない

尿瓶 夜中の頻尿が激しい。
 つまり夜、何度もオシッコに起きる。
 しかし、尿意はあるがトイレで便座に座っても、尿はあまり出ない。
 何のこっちゃとハラが立つ。
 調べてみると、「膀胱過敏症」もしくは「過活動膀胱」という病気の一種だという。
 老人には多いらしい。
 年をとってイイコトは何もないが、こいつもその例の一つだ。

 時にはそのまま眠れなくなる。日昼に倦怠感が強いのも、幾分かはそのせいかもしれない。
 
 で、眠れなくなったときに、このあいだの入院中に味わった “オシッコ問題” を思い出す。
 入院前期に自分でトイレへ行けなかった頃は、ナースコールをして宿直の看護師に来てもらう以外にない。
 一晩に2,3回ならまだいいが、5回も6回もとなると気が引ける。できるだけ我慢するが、これがけっこうツラい。
 で、平身低頭しながら来てもらうのだが、毎晩となると・・・。

 看護師はうわべはイヤな顔をしないが(上から強く言われているのだろう)、
「え、またか、エエかげんにしてよ、もう・・・」
 と内心で思っているのがなんとなくわかる
 しかも、あてがった尿瓶にはほとんど尿が出てないんだから・・・。

 決してイヤガラセをしてるんじゃないってことは、看護師だってわかっていると思う。
 が、わかっていることと感情はいっしょに歩かない。
 わしの若いときだったら、イヤミひとつふたつは言っただろう。
 それを思うと自己嫌悪にかられて気分よくない。

 ま、要するに、まったくヤになるってことネ。年をとるって・・・。

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