認知症は幸せな病気?

認知症

 何回か前、認知症のカミさんに振り回される話を書いているとき、ふと頭に思い浮んだことがある。
 そういうことを口にしている人を、私は知らないないから、一般的に思われていることではないだろう。
 奇を衒っていると思われるかもしれない。
 
 どういうことを思ったかというと、「認知症というのは幸せな病気だ」・・・ということである。

 うちのカミさんのようにアルツハイマー型認知症の場合、重症に進行しないうちは記憶障害が主たる症状なので、嫌なこと、自分にとって不都合なこと、気分の良くないことなど、マイナス要素もすべて忘れてしまうので、当人は、日常を太平楽に過ごせる。・・・と彼女を見ていると思える。
 
 もちろん困ることや面倒なことは多いのだが、困るのは本人よりも周辺にいる人間なので、当人は我関せず、である。「それやられると困るんだけど・・・」とくり返し伝えても、それもすぐ忘れてしまうからねぇ。
 
 おのれの日常生活の内容が、自分の人生からすべて消えてしまう・・・というのは普通の神経ではそうとう辛いことだと思う。
 実際、そういう現実を思い知る瞬間がカミさんにもごくたまにあって、そういう時は暗い表情を見せることもある。が、それだって数秒後には頭から消えてしまうから、現実的な問題にはなっていかない。・・・ように見える。
 
 新聞の家庭・生活欄やNHKの医学番組などに触れると、辛い苦しい病気に耐えながら、あるいは闘いながら生きている人も多い。
 そういう病人に比べれば、認知症患者ははるかに幸せだ。体のどこかが痛いとか、苦しいということもないし・・・。
 病状が大きく進んで、食事をするにもトイレに行くにも介護が必要になり、失語・失行状態になれば、話は別だろうが・・・。
 その上その何もできないことを、介護人や周辺の人たちから責められたり難じられたりする環境にいれば、やはりソートーに辛いだろうけれど・・・。
 
 カミさんと一緒に生きていてそんなふうなこと(認知症は当人にとってはラクな病気である、ということ)を、ま、ちょっと感じたわけでアリマス。

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