意欲半減/関心低下
これまでにも何度か触れているが、カミさんは最近何かをしようとする意欲というか、物ごとへの関心がトンとなくなった。
以前は少しでも時間ができると、溜まっていた新聞をかたづけるとか、本や雑誌を手にとるとか、キッチン周りを徹底的にきれいにするとか、ベランダに出て鉢植えの手入れをするとか、アクセサリー類を取り出して修理を始めるとか・・・etc.をやって、何もせずボーッとしているようなことはなかった。
ところがここ一年ほど前から、こちらから何かすることを指示しない限り、まったく何もしようとしない。指示した仕事が終わると、しばらく道に迷った仔羊(老羊?)のようにウロウロしているが、気がつくといつの間にかベッドの中で寝息を立てている。
そういえば今ふと思い出したが、ひとつだけ自分からすることがあった。
家の中を歩いていて、足元の床に落ちているゴミを拾うことである。ほとんど神経症のようにしょっちゅう拾う。
彼女は昨年白内障の手術をして人工の目になったので、極小のゴミも見えるらしい。
近くにわしがいると、拾ったゴミをわざわざ見せにくることもある。指先に載っている小さなチリを自慢げに見せる。むかし、わが家で飼っていた猫がネズミやヘビを捕まえると見せにきたが、それと同じ。うるさいし面倒だけど、これだって腰を屈めるので運動になるので、何もしないよりいいと思って黙ってやらせている。
聞くところによると、こういう意欲や関心の低下も認知症の症状らしい。
だから、最初のうちは説得したり、やり易いような環境を用意したりしたのだが、やはりトンと効き目がないので諦めた。病気が相手じゃ勝ち目はない。
しかし何もしないで寝てばかりいると、体も頭も使わないのでいいわけはない。ケアマネージャーと相談して、デイサービスの回数を増やしてもらうことにした。何はともあれデイに行けば寝てるわけにはいかない。最初は週一回だったが、今は週四回通ってもらっている。
ところで今回の本筋はカミさんの話ではない。
実はわしの話なのだ。
彼女と同じように、わし自身が何かと意欲がなくなり、物事への関心が薄れてきているのが気になっているのである。
例えば以前は新聞を、毎日2~3時間かけて隅々まで読んだ。せめて現在の日本と世界のデキゴトくらいは知っておきたい・・・と思う好奇心があった。
ところが今はもうどうでもよくなっている。全紙、頭の一面からお尻のテレビ欄まで、ほとんど見出しを撫でるだけで通りすぎる。日常やることなすことはみんなノロいが、これだけは超特急。好奇心より面倒臭さがアットー的に勝つ。
時間をかけて読むのは健康・医学関連の記事くらいだ。とりわけ老化関連記事と認知症情報。
忘れごとも激増していて、繰り返しが多くなった。要するにカミさんだけでなく、わしまで認知症がらみになってきたわけだ。夫婦で認知症の揃い踏みなんて、カッコよくないしどこからも拍手はこない。
まさかこうなるとは思わなかった。
そもそも若い時には、自分が年を取るとは考えもしなかった。オロカなことだ。イヌやネコ、虫・鳥・雑草から太陽・星々まで、この世のものはみんな年を取るというのに・・・。
ま、自身が経験してみるまで分からないというバカ人間の見本デス。
・・・と分ったところで面白くもナントモないけどね。
当ブログは週1回の更新(金曜)を原則にしております。いつなんどきすってんコロリンと転んで、あの世へ引っ越しすることになるかもわかりませんけど、ま、それまではね。
