ひっくり返った亀
何回か前の回に触れたが、老妻が路上で転倒し、さいわい骨折はしなかったが、膝と股関節を痛めた。
そのため、家具につかまったり、家の外では私が支えたりして歩くことはなんとか歩けるが、畳の上に敷いた布団から立ち上がるのに難渋するようになった。
私が助けてやればいいのに・・・とお思いかもしれないが、私も90歳近くになって筋力が衰えているので、そのつどほぼ50キロほどを持ち上げていると、こっちまで身体を痛めて共倒れになる可能性がある。
それだけではない。私が助けていると、彼女は立ち上がるのに必要な筋肉を使わなくなり、ますます立ち上がれなくなる可能性がある。ネタキリは老人の最大の敵デスからねぇ。
で、自分ひとりで立ち上がるのに、彼女はひっくり返った亀のように手足をバタバタさせて4,5分かかる。
それを傍でアホみたいにただ黙って見ているのも、けっこうつらいものデス。
そこでケアマネジャーさんに、なにかいい対応の方法はないか相談してみた。
さすが餅は餅屋であった。
そういう病人や老人のために、布団のそばに置いて立ち上がりを助ける福祉用具(立ち上がり補助手すり)があるという。しかるべき所から貸与してくれて、しかも介護認定があれば賃料は一割くらいですむらしい。
さっそく導入してみた。
短い梯子状をした単純な用具だが、2,3日使って慣れてくると、とても使い勝手がよく、助けになることがわかった。10秒ほどで自分で立ち上がれる。
人が横から助けるのと違って、あくまで当人が用具を手がかりにひとりで立ち上がるので、腕や足腰の筋力も使う。
道具の効力のすごさ、ありがたさ・・・。
人類が他の動物を大きく引き離して繁栄したのは、まさしく「道具の使用」を発明・発展させたからだということを、こんな日常の小さなできごとの中で思い知らされた思いであった。
そして今や人間は、その自分たちを超える能力を持った道具を作り出そうとさえしている。
これはちょっと怖いけど・・・。
当ブログは週1回の更新(金曜)を原則にしております。いつなんどきすってんコロリンと転んで、あの世へ引っ越しすることになるかもわかりませんけど、ま、それまではね。
