顔がきれいになった
顔がきれいになった。
えっ、誰の顔のこと?
日本の子供の顔。
「きれいになった」って、いつと比べて?
昔、わしが子供だったころと比べて。
・・・ということは70年ほど前の話になる。当時の子供たちはみんな汚かった。
食べるものが無くて、いつも栄養失調状態だったから、という事情もある。
まず食うことが優先されて、身辺を整えるところまで手がまわらなかった、という状況もあっただろう。
だが、それだけではない。
わしの子供のころは、顔の造りというか、造作がいまの子供たちとあきらかに違った。誇張していえば類人猿に近い。
顔全体が総じて平べったく、鼻が低かった。低いだけでなく、横に広がっていた。さらに先のほうが少々上を向いていた。安定感はあるが、カッコはよくない。やっぱり類人猿的だ。類人猿には失礼な言い方になるけど・・・。(上の写真の子供たちは、当時の標準からいえばまだ美男美女のほう)。
考えてみれば子供だけではない。
いまの若者たちの容姿も昔からずいぶん変った。
この人ほんとに日本人? と疑いたくなるほど日本人ばなれしたスタイルの若い人が多くなった。
背が高く、脚は長く、身長に比して顔が小さく、顎もあるのかないのか分らんくらい。
顎は今は美容整形で削り取れるらしいが、脚を長くしたり頭を小さくしたりすることはまだムリらしいから、人工的な手は入っていないのに、変ったのだ。
それがわしには不思議だ。体格や容貌は、遺伝的に決まるものとずっと思っていたから。
生物学的かどうか知らんが、変わった理由のひとつふたつは思い浮かぶ。
その一は食べものが変わったこと。つまり栄養が良くなったこと。
その二は環境が変わったこと。
とりわけ後者が大きいと思う。むかしとちがい今は、映画・テレビ・雑誌等に、カッコいい西洋人等があふれている。
となると、人はそういうカッコいい人間に憧れる。自分もああなりたいと思う。常にどこかでそれを願っている。
これが大きいのではないか。
日本人の外形を変えたのは、この内なる強い思いが、栄養の向上という外側の条件変化と相まって与っているのではないか。
どういうメカニズムがそこに働いているのかは知らない。
知っている人がいたら教えてほしい。
もっとも今から知っても、ちょっと遅いかな、足長おじさんになるには・・・。
(おいおい、サバ読むな。言うなら”足長おじぃさん”と言え)