安倍晋三の深謀遠慮 -晋三の心臓はあんがい毛深い-
安倍首相がいま窮地に陥っているらしい。
森友関連の公文書改ざん問題で内閣支持率は急降下し、自民党内からも批判の声があがって、崩壊は時間の問題だという人もいる。
そこへもってきてトランプ・アメリカ大統領の、関税大幅引き上げ問題だ。
隣国の韓国は、カナダ・メキシコなどと共に適用を除外されているのに、日本は適用除外から外されている。
日本国民の多くは首をひねっているのではいか。あるいはポカンと口を開けている。
安倍首相はトランプ大統領の “親友” ではなかったのか。
大統領就任いらい、世界中から非難ゴーゴーのトランプのやり口に一貫して理解を示してきたのは、だれあろう日本国首相の安倍晋三だったはずだ。
それはこういうときに、アメリカが日本を友好的に遇してくれることを期待しての振る舞いではなかったのか。
ところがいざとなると、あっさり手のひらを返されて、宿敵ロシアや中国と同じ扱いを受けている。
そういう現実を目の当たりすると、日本の外交は甘ちゃんエプロンをかけた “幼稚園外交” か・・・と情けなくなる。
こんな仲良し小よしのやり方が、トランプやプーチンや習近平のような世界的スレッカラシに通じると思っているとしたら、見あげたお人好し園児という以外にない。そんなボンボン外交じゃ、ボンボン飴とまちがわれてナメられるのは当然だ。
一人前の大人が大人と交渉するには、まずシビアに相手を見るのが基本中の基本だろう。
そして、たとえばトランプが相手なら、トランプに最も有効な戦略戦術を考えて手を打つ。たとえば、
「おたくの軍事基地は、そろそろ日本から出ていってもらうことを、考えなきゃならん時期にきているんじゃないッスかね」
・・・みたいなことを、なにかの拍子にさりげなく言ってみる。
「そんなことをしたらあんたは核の傘から外れるぞ。中国や北朝鮮の核の脅威にどう対応するのだ?」
などと向こうが言ってきたら、
「そんときはそりゃあ、うちらも自前の核を持つことも考えなきゃならんでしょうなぁ。日本は米仏に次いで世界第3位の原発保有国だし、その気になればすぐ作れる技術がありますからねぇ」
・・・などとさらりと言ってのける。
場合によっては、
「いっそ中国と仲良くする、という手もありますねえ。君子豹変す、っていう彼の国の言葉、知ってます?」
と冗談めかしながら、しかし冗談ばかりじゃないぞ、という気配を漂わせながら言ってみる。
コレ、たとえば、の話じゃよ。なにも実際に核兵器を持てとか、中国に尻尾を振れとか言っているのじゃない。そんな気持ちはチリほどもなくても、そういうことをチラッとことばの端に匂わせてみる。それが駆け引きというものじゃないの?
外交は国と国と交渉である。交渉ごとに”かけひき”は付きものだというのは、トランプ大統領の基本戦略だし・・・・。
しかし・・・です。日本外交の幼さに歯がゆい思いをする一方で、実はわしは別のことも考える。
待てよ、安倍晋三の懐は意外と深いかもしんぞ・・・と。
トランプ大統領がいま関税引き上げの「適用除外」から日本を外しているのは、実は安倍晋三が親友トランプに頼みこんで打っている大芝居ではないのか、と。
安倍首相は4月中に訪米し、トランプ大統領と直接会って話をする予定だという。
それまでは「適用除外」から外してを押し進め、日本を慌てさせておいて、4月の安倍・トランプ会談で一挙にひっくり返す。日本を適用対象国から外す。
このどハデな一発逆転劇は、トーゼン安倍首相の大てがらになる。
屋台骨がぐらついていた安倍内閣の支持率は急上昇し、いっきょに安定を取り戻す。安倍晋三は息を吹き返し、その勢いに乗って最大の懸案である憲法改正につき進む。
・・・といった極秘作戦が、安倍晋三の胸中でひそかに進行しているのではないか。
この作戦はトランプ大統領にとってもメリットがある。
自分に友好的な数少ない国のトップ・安倍晋三を有効に活用するには、安倍内閣が高い支持率に支えられて国内の政治基盤を安定させていることが欠かせない。
そのために手を貸して恩を売っておけば、安倍はこれまでにもまして自分に大きく尻尾をふってくれるだろう。
トランプという人間は、なにか自分に得になるものがなければ動かない男だ。安倍晋三はそのへんまでも読んで、トランプを逆に利用しているのではないか。
・・・とまあ思うこともできるわけだ。
それくらいの腹がなきゃあ、そもそも政治家とは言えんもんなぁ。
ともあれ、安倍晋三の心臓はあんがい毛深い、というのがわしのもう一方の見立てだ。
ただし、半ボケじじィの見立てだから、当たるもボッケ、当たらぬもボッケ、だぞ。
ゆめゆめフェイク情報に騙されめさるるな、ご同輩。