恋愛結婚と見合い結婚、どっちがいいか?

恋愛結婚と見合い結婚

 以前当ブログに書いたが、わしは数年ほど前から、カミさんの食材の買い出しにかならず同道する。
 そしてそれには理由がある。 (その理由についてはこちら

 ・・・というわけで同道はするけれど、食材を買うのはもっぱらカミさんである。わしは一切口出しをしない。舌も尻尾も出さない。
 調理に使う材料は、調理をする人が選ぶのが合理的だと思うからだ。

 たとえば、食事担当のカミさんが頭のなかで「きょうの夕食はカレーにしよう」と決めているのに、わしが横から「きょうは刺身が安い。今晩は刺身を食おう」とうるさく言い張って後へひかなかったら、時間と感情を浪費する。ヘタをするとケンカになって帰りは別々、食事も出ない・・・なんてことになりかねない。
 
 同様の理屈は結婚にも言えるだろう。
 結婚する当人が結婚の相手を選ぶのが合理的だ。
 その後の結婚生活にほとんど関係しない知り合いのおばさん(今なら結婚相談所の所員か)などに紹介されて、いい部分だけに高下駄をはかせた話に乗せられて結婚して、それでうまくいかなかったらどうするか? おばさんや係員は責任をとってくれない。
 
 だから自身が、自分の好みに合った相手を選んで結婚するのが一番だ。
 たとえそれでうまくいかなくなったとしても、どこかへ尻を持っていくわけにもいかないから、なんとか自分たちで解決しようと努力する。
 なにせ自分たちが好き合って結婚したんだからねぇ。

 口幅ったいこと言うようだが、50年余の結婚実体験者として言わせてもらえば、夫婦を続けるには夫と妻双方の努力が必要だ。
 これが基本。
 これなくして結婚を続けようとするのは、ペダルを踏まずに自転車を走らせようとするようなものだ。当初は勢いがあるから足で地面を蹴っても走るが、そのうち倒れる。足だって疲れるからねぇ
 
 つまり、見合い結婚より恋愛結婚のほうが合理的であり、すぐれている。
 
 ・・・と一見は思える。
 だがわしの口ぐせだが、人間というのはシチ面倒くさい生きものなのだ。合理的であることが合理的に働くことはあまり多くない。
 
 まず、お互いに好き合って結婚するというが、その “好き合う” っていうのがクセ者だ。ウソ者・・・と言い換えてもいいくらい。
 結婚後の長い人生を共に生きていくことを真剣に考えて好きというよりも、自分にとって都合がいいから好き・・・というのが大半。それが実態だ。
 ネットで「結婚相手の条件」ランキングの類をチェックすれば一目瞭然だよ。

 それに、結婚はふつう発情期にある男女がする。
 それゆえその面での影響も無視できない。つまり性的な好みやタイプが、人間としての好き嫌いの中にもぐり込む。しかもそいつが密かに幅を利かす。

 しかし、結婚生活はセックスばかりしているわけじゃない。数年もすれば99%がセックス外生活になる。もちろん中にはそうじゃない幸せな(…と思うかどうかは人によるが)夫婦もいるだろうけど、それは例外的存在。
 
 このように恋愛結婚では、夫婦として生活していく上に必要な相性とは無関係な “好みや好き嫌い” で結婚する。それが現実の大半であろうとわしは思う。
 
 もっとも、最初のうちはいい。めずらしいし、新鮮だから。
 だが永遠に新鮮なんてことはない。やがてかならず表皮が破れて地が出てくる。ナマの地とナマの地がひとつ屋根の下で鼻つき合わせて生活することになる。そのとき「結婚するときはあんなにステキだったのに・・・」と悔やんでも遅い。
 後に残るのは我慢と努力、もしくは破綻と離婚・・・ね。
  
 これが恋愛結婚をした夫婦の平均的な姿だろう。
 
 一方、見合い結婚はどうか。
 
 こちらも恋愛結婚と同様、夫婦として共に生きる上での本質的な相性という点では、たまたま街角で鉢合わせをしたのといっしょ。
 だが大きく違うところがひとつある。
 
 相手に対する期待や幻想があまりない、という点だ。
 
 わしは学生時代にこんな経験がある。
 信頼する友人からすごく面白いと言われて観に行った映画が、大して面白くなくてがっかりした経験だ。奨めた友人の感性を疑った。
 ところが30年ほど経って、観たことも内容もすっかり忘れていて偶然テレビで同じ映画を観たら、すごく面白かった。感動した。
 つまり期待が大きければ大きいほど評価基準は高くなる。結果、失望や不満が出やすくなる。

 しかし、相手のことをよく知らないで結婚することが多い見合い結婚では、期待と実体とのギャップがない。あっても小さい。
 期待外れということがないから、失望もない。余裕がある。
 そのため、時経て地と地が鼻つき合わせることになっても、我慢しやすい。感情を走らせて破綻へ突き進むまえに、莫大なエネルギーが要る離婚をなんとか避ける方法はないかと考える。
 
 実際、「横浜婚活・結婚相談所センター」によると、今の日本では3組の夫婦のうち1組が離婚するそうだが、「恋愛結婚の夫婦の離婚率は40%で、お見合結婚の夫婦の離婚率は10%!」
 だそうだ。なんと4:1。
 
 ・・・というふうに、合理的であることがすべて良い、とは限らないのが人間の世界である。

 ・・・というふうに考えて物事に対処することが、わしらのような高齢人間にも必要だと感じることが最近あったので、書いた。

(当ブログに来てくれる人には、あんまり関係のない話だったねぇ。ごめん)

 

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