新首相選び ドンダケー~!!
先だって、テレビのスイッチを入れたら、いつもはコロナコロナと “コロナ一強状態” なのに、その朝のニュースショーはなにやら雰囲気が違う。
どことなくスタジオ内がざわついてコーフンぎみだ。きょうは朝からセクシーな美女が肌もあらわに出演しているのかと思ったら、違った。
その前日の夕方、安倍首相がとつぜん退陣を表明したのだった。
前夜、わしらはたまたまテレビをつけなかったから知らなかったが、持病の潰瘍性大腸炎が再発して、首相の重責を全うするのが難しくなったと、辞任を言明したのだという。
安倍サンがついに裸になって肌もあらわに・・・と言えないこともないが、そんなんでコーフンするこたァない。
そういうことになるんじゃないかと、わしは前々から思っておった。
・・・て、後出しじゃんけんじゃ誰にだって言える。
ま、そりゃそうだけどサ。
ともあれ、この腸の病気はストレスが原因だと言われている。たしかに最近の安倍サンは、波の荒らいストレス海を泳いでいるようなもんだったからねぇ。
首相としての在任期間が日本憲政史上最長・・・などと言われているけど、後半は自分が上流で流した泥水をしたたかに飲んで、そこへもってきてコロナの愛撫をたっぷり受けて、爺さん(岸信介)以来の老舗政治家の神経をもってしても、それなりに身に応えただろうことは想像に難くない。
それはまあ自業自得というか、自分の蒔いた種は自分で刈りとるのが自然の掟だからいいとしても、問題はそのあとだ。
今は、第二次世界大戦以来最悪と言われる世界的危機の中にある。
その中で日本をどう導いていくかを問われる次期自民党総裁選。まもなく総裁選びが行われる。マスコミが大騒ぎするのは、彼らの本性からいってこれまた自然の流れだが、とあるテレビ局の報道には驚いた。
わしは政治ネタはなるべく扱わないようにしているのだが、この某局某報道番組には呆れた。ガックリきたと言い換えてもいい。黙っていられない。
総裁選に立候補すると思われる3人の自民党大物の紹介を、まずはじめにしたのはいい。問題はその紹介の仕方というか、内容だ。
たとえば3人のうち1人、岸田文雄外相。
彼を紹介するのに、いかに華麗な家系の出であるか、から始まる。
祖父は戦前戦後の衆議院議員で、父は衆議院議員・中小企業庁長官を務めた大物政治家で、しかも岸田家は元首相の宮沢喜一の親戚筋にあたるとか・・・。
また、岸田文雄は広島東洋カープの大ファンで、1975年のセントラル・リーグ初優勝時には後楽園球場まで観に行ったとか、2016年に広島スタジアムで行われたで広島カープ×横浜ベイスターズ戦で始球式をやったとか、女子サッカーチーム「アンジュヴィオレ広島」創立に関わったとか。・・・・
そんな話を、古い映像のホコリを払って引っぱり出してきてまで延々とやっているのだ。
おいおいおい。
そういうことが、一国の首相を選ぶのに、どういう意味があるというのだ?
国のリーダーを選ぶに際しては、国民に知らせるべき重要なことがほかに山ほどあるだろうが。
一国の運命を左右するトップを選ぶのだぜ。
親父や爺さんがどうだったとか、どこの誰と縁戚関係があるかだとか、どのプロ野球チームがひいきで、初優勝のときの試合を観に行ったとか、始球式をやったとか、そんなことが首相を選ぶのにどれだけの意味があるというのだ?
テレビタレントのIKKOサンだったら、あの大きな紅い唇を目いっぱい歪めて、突き出した人差し指を大きく横に振りながら叫ぶだろう。
「ドンダケー~!!」
当ブログは週2回の更新(月曜と金曜)を原則にしております。いつなんどきすってんコロリンと転んで、あの世へ引っ越しすることになるかもわかりませんけど、ま、それまではね。