鏡よ鏡、世界でいちばん見苦しいのは誰?
鏡に映った自分の顔を見ると、ちょっとうっとり・・・まちがえました、げっそりする。
年相応のシミやシワは仕方がないとしても、乱れたうすい髪や無精ヒゲなどが、じつにビンボーくさい。じっさい貧乏なんだけどね。
髪のほうはコシがなくなっているので、手櫛で何とかなるが、ヒゲのほうは手爪で引っこ抜いてなんとか・・・というわけにはいかない。
むかし電池を使うシェーバーを使ったことがある。
が、ときおり剃り残しが生じた。安物だったせいもあるんだけどね。
ある時そのままある集まりに出たら、お節介な婆さんに、「あんた、アゴに剃り残しがあるわよ」と囁かれたことがある。親切めかしていたけど、ありゃあ親切じゃないね。
結婚前、まだ実家にいた頃、亡くなった親父が使っていたカミソリ(ナイフのような直刃剃刀)が洗面所の戸棚にあったので、使ってみたことがある。
横着をして刃を研がないで使ったら、当然だけどぜんぜん切れない。ムリに剃ろうとしたら毛が引っ張られて痛いし、うっかりすると毛より肉を剃りそうだった。
使い慣れていないのだから当り前だけど、とにかく扱いにくいし危ない。
親父はよくこんなものを毎日顔に当ててたな、と思っただけで、それっきりこのタイプのひげ剃りには手を出していない。100円ショップじゃ売ってないしね。
人前に出る予定のある日は、いちおう安全カミソリを使ってヒゲに当たる。さいごに剃り残しがないか確かめる。おせっかい婆さんに囁かれないように。
だが、食料の買いだしに外出するだけで、とくべつ誰かに会う予定のない日は、朝ヒゲを剃らなくなった。
で、何日も人に会わない日が続くと、冒頭に述べたように見苦しい顔が鏡に現われる。
婚活しているわけじゃなし、異性にモテたいエネルギーもすっかり消失しているから、無精ヒゲが出てきてもわし的にはべつに問題があるわけじゃない。
ただ、居間のサイドボードの上のホコリや、置き物の配置にも気をくばるキレイ好きのカミさんがいつもサイドに居るので、ヒゲが伸びてくると、いちおうヒゲ切り用の小さいハサミで、鼻下のヒゲを剃るときいっしょに、頬にある目立つ無精ヒゲを剪定するくらいのことはやっている。
簡便だが注意が必要。
やってる作業とは別のこと、たとえば昨晩久しぶりにセクシーな夢を見たけど、この年になってもまだあんな夢を見るんだな~、なんてことを考えながらハサミを使ってると、ヒゲといっしょに皮ふを切ることがある。頬の皮ふならまだいいが、唇の皮ふを切るとモーレツに痛い。ものを食べるとき支障が生じるし、治るのに時間もかかる。
しかしまあ、要するに鏡に訊かなくたって、世界でいちばん見苦しいのは、まちがいなく身だしなみに気を使わなくなった老人だ。
・・・ってコレ、考えてみればしょっちゅうカミさんに言われてるフレーズだ。情けない。
当ブログは週2回の更新(月曜と金曜)を原則にしております。いつなんどきすってんコロリンと転んで、あの世へ引っ越しすることになるかもわかりませんけど、ま、それまではね。