ついにやって来た?(1)
「人生100年時代」といわれる長寿時代になった。
みんなが長生きするようになったことで、わしらにとっても、現在いちばん大きな生活上の不安材料は、程度の差はあれ高齢者の多くが避けて通れない認知症問題である。
そもそもこのブログは、『半ボケじじィのボケまくり島(略称ボケモン島)』というのがメイン・タイトルだから、何を今さら寝ボケたことを言っとるんじゃ、 いう話だけどネ。
これまでも折りに触れてちょくちょく言及はしているが、わしらの認知症問題は、もはや年のせいにして無視したり、誤魔化したりてやり過ごせないところにきている。とくにカミさんの方にそのケが強い。
もちろん、外出中に家に帰れなくなったり、逆に当てもないのに勝手に家を出てフラフラ歩きまわったり、あるいはトイレのドアと押入れの戸を間違えて開けたりするほど、高級レベルな状態ではない。もう少し低級レベル。
だが彼女の脳内ではひそかに上を窺ってるヤツがいて、じりじり這い上がってきそうな気配を感じる。正直いって少々怖い。ホラー映画に、姿は見えないし足音もしないけど、何かが背後にジリジリ迫っている・・・というシーンがよく出てくるが、それに似ている。
直接向き合って話をする分には、知らない人はほぼ気がつかない。ストレートにトンチンカンな受け答えはしない。またとつぜん怒りだしたり泣きだしたりもしない。むしろニコヤカに対応して正常っぽい。
ところが、いま話している話の内容がとつぜん頭から消えて、頭の中の配線が断線状態になる。あるいは混線混乱する。
正常なコミュニケーションが難しくなる。
そのときわしがそばにいれば、事情を説明するなり、場合によっては適当に誤魔化したりしてやり過ごすが、いないときはどうするのだろう。当人はもちろん困るだろうが、相手はもっと困るのではないか。あけすけな話ができる昵懇な間柄ならいいが、そうでなければ応答のしように窮するのではないか。お気の毒だ。
つまり現実生活に実害を生んでいるわしらの認知症問題は、カミさんの記憶力の急速な減退である。
もの忘れは認知症の始まりと言われる。
その一方で、食べた食事を忘れるのは真っ当な認知症だが、けさ食べた献立てを忘れるのは正常な老人性健忘症だとも聞く。
幸いなことに、カミさんの場合はまだ献立てレベルにとどまっている。それがわしらの最期の頼みの網だ。
だが昨今のモノゴトの忘れ振りの敏腕ぶりには、その最後の頼みの網もだんだん細くなっていくように思える。悟られないようにしているが、正直にいうと、わしの内部ではほとんどセンセンキョーキョーである。
そしたら先日、その恐れていたことが現実となったかと思われるような、出来事がついに現われた。(次回につづく)
当ブログは週1回の更新(金曜)を原則にしております。いつなんどきすってんコロリンと転んで、あの世へ引っ越しすることになるかもわかりませんけど、ま、それまではね。
心配です。読んでいてドキドキします。夫の姉(81歳)同じくらいかもしれない。