家、ついていってイイですか?

家ついていっていいですか

 ちょくちょく触れているが、齢を重ねるとだんだん全てがオックーになる。
 要するに何をする気もなくなる。フが抜けてくる。
 で、毎日、朝から晩まで何もしないでボーっとして一日を過ごすことになる。
 しかし目は開けている。
 で、開けた目で何を見ているかというと、多くはテレビである。わしにとってテレビがほぼ唯一の人生パートナー、生活のオトモダチである、といっていい。

 若者は逆に最近テレビから離れているらしいから、テレビの側からいっても、老人は大切なパートナーのはずだ。が、ザンネンながら老人向けの番組はあまりない。特に民放は・・・。で、見るのはNHKが多い。

 そんな中で、めずらしくちょくちょく見る民放の番組がある。
 街を歩いているそこら辺の通行人にスタッフが声をかけて、「タクシー代をお支払いするので、家、ついていってイイですか?」と話しかける。
 路上でいきなりそんなこと言っても、断られる場合のほうが多いだろうが、中にはOKする人もいる。ま、人間にもいろんな人がいるからねぇ。
 で、その人の家にキャメラを持ち込んで、家の中の様子をあけすけに映しながら、いろいろ話を訊く。ロコツに次々と質問を浴びせかけていくのである。
 
 さっきも言ったが、まあ世の中には実にいろんな人がいる。
 常識では考えられない型破りな生活をしていたり、波乱に富んだ、時にはハチャメチャな人生を送ってきた人がいたりする。
 信じられないような変った(→異常な)性格をしている人もいれば、口がアングリとなるエキセントリックな家族関係の人もいる。もちろんときには感動的な生き方をする人間にも出会える。
 
 ドラマのようなフィクション(作り物)ではなく、現実に生きているそういう人間たちを、映像と音声でドキュメントして見せるのだから、テレビでなければ出来ないテレビらしい番組である。(制作費もほとんど掛からないしネ)
 
 三たびさっき言ったことの繰り返しになるが、要するにこの番組を見ていると、世の中には実にさまざまな人間が存在していることをが分かる。
 考えてみればしごく当たり前の話なのだが、人間はふだん自分のことと自分の周辺のことにしか目が行かない。そしてくよくよ悩むことが多い。タコ壺の中のバカなタコになる。
 
 ところがこの番組を見て、世の中にはいろんな人がいて、さまざまな生き方をしている人間がいることを知ると、少しホッとする。
 タコ壺からちょっと首を出して、少しだけ広い世間の空気が吸えるのである。

 人間っておかしな動物で、ツライのは自分だけではないと知ると、何となく気持がラクになるところがある。
 それを知ったからといって、自分の状況が変わるわけではないのにねぇ。
 犬や猫や他の動物も同じような心理になるのかしら?

 ・・・って、要するにヒマだってことだねぇ。

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