うるさいものはいろいろあれど

 わしにとって、うるさいものの筆頭はカミさんの小言である。
 「小言」が言いぎなら「注意」。
 テレビの音が大きすぎる、ドアの開け閉めが荒っぽい、衣服に食べ物のシミが付いてる、背中が丸くなってる、アゴが出ている、道のデコボコに気をつけろ、エトセトラ、エトセトラ・・・。
 
 もちろん当方のタメを思って言ってくれてるのは分かってるが、大したことじゃないことをアレコレつづけて言われると、つい「うるさい!」って声を上げたくなる。
 
 たまたま老友にそう言ってグチると、その友人は連れ合いをガンで亡くした独り者で、
「そういうどうでもいいことを言ってくれる人間が傍にいるだけでありがたいと思え。爪を伸ばしても、鼻毛を伸ばしても、誰も何も言ってくれいないのも寂しいもんだぞ」
 と共感してくれなかった。
 
 たしかに「屁をひって おかしくもなし 独り者」という有名な古川柳があるように、小さなことでも気にかけてくれる者が周辺にいるということは、人間にとって案外ありがたいことなのかもしれない。
 
 実際わしも、ふだん無意識にプーっとやってしまう(つい出てしまう)ことがある。出口あたりの建付けが劣化しているらしい。
 しまったと思うが遅い。思わず周辺を見回して、カミさんが聞いていなかったかどうか確かめる。以前はしょっちゅう文句を言われていたし、最近は諦めたか口にしなくなったものの、嫌な顔はするからだ。
 
 もし仮に、大小・強弱さまざまな「プーっ」を大っぴらに放っても、誰からもなんの反応もないとしたら、やっぱり何となく甲斐がないような気がする。
 何の甲斐か知らないけど。

 どうでもいい無内容なことを書いてるが、そもそも老人の生活というは、こういうどうでもいい無内容なモノなのデス。ハイ。

 

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当ブログは週2回の更新(月曜と金曜)を原則にしております。いつなんどきすってんコロリンと転んで、あの世へ引っ越しすることになるかもわかりませんけど、ま、それまではね。

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