新型コロナウイルス

 正直にいうとわしは、新型コロナウイルスの出始めのころは、今みたいな大ごとになるとは思っていなかった。香港A型とかB型とかいうインフルエンザの、お友だちかイトコみたいなものだと思っていた。
 
 わしに限らず最初のころの大方の日本人は、だいたいそんなていどの認識だったのではないか。
 だから今になってみんなが、日本政府の対応・措置は遅いとか甘いとか言っているは、後出しじゃんけんじゃないの、という気が個人的にはする。
 
 ともあれ今や国を挙げての戦争状態だと言われる。
 先だって首相が「緊急事態宣言」を出して、まさに “非常事態” の様相を呈してきた。

 
 わしは戦前の生まれで、太平洋戦争時代の世の中がどんなものであったか、子供ではあったがいちおう知っている。
 今の日本の様子は、どこか当時の世相に似てきているように感じられる。
 
 政治家と、専門家(戦時だと軍人)と称する人間が居丈高にものを言い、ルールや義務が前面に押し出されて、全体がそれに従うよう暗黙の圧力がかかる。同調圧力というやつネ。
 非常事態なのだ。鬼畜ウイルスを駆逐せよ。それまでは多少の不便はガマンしろ。「欲しがりません勝つまでは!」「贅沢(わがまま→ルール違反)は敵だ!」「進め一億総自粛だ!」
 人々はとげとげしくなり、世の中は窮屈になる。
 
 新聞やテレビの報道によると、「命の選別」が行われている。
 たとえば人工呼吸器が1台しかない病院に、若者と高齢者のコロナ患者が運ばれてきたとする。医者が若者に呼吸器を使って高齢者を見捨てたとしても、その医者を非難することはできない。見捨てられる側にいるわしでさえ、その選択は正しいと思う。
 
 人類の祭典 “東京オリンピック2020” の年として始まった今年。
 わずか数ヵ月でこんなことになるとは思いもしなかった。
 ふだん、手垢のついた手で鼻の頭を掻く調子で「世の中一寸先は闇だ」などと気軽に言っていたけど、その言葉の実態を鼻の先に突きつけられた感じだ。
 
 人の世には、一方的に与えられて、個人ではどうにも動かせない現実というものがある。
 早い話、いま社会で一番強く要請されているのは、「不要不急の者は外出を自粛しろ」ということである。
 「不要不急」と言われれば、まさに「わしの人生」そのものだ。
  
 だからわしは、選別されても文句は言わない。
 ま、気分爽快とは言わないけどね。
 

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