コロナで網にかかったアベさん

天の網にかかっら安倍首相

 ”天網恢恢疎にして漏らさず” ってことわざがある。
 以前にも触れたことがあるが、あらためて辞書をみると、

「天に張られた網の目は広くて一見粗いようであるが、悪事はその目から漏れることはない。悪事を行えば必ず捕らえられ、天罰をこうむるという意味」
 とある。世間に気づかれずにうまいことやった・・・とひそかににんまりしていても、そのうちかならず足がつき、尻尾を握られる、ってことね。
 
 80年余りも人間やってると、それってホントだと思う。
 自分の過去を振り返ってみて・・・ってこともまああるけど、わしが言いたいのはこんどのコロナ騒ぎでも、この天の網がしっかりと仕事をしているってことが見てとれる、ということ。
 
 いま地球上を席巻しているコロナ騒動は、21世紀に入って最大の世界的事件と言っていいと思うが、それだけにあらゆるメディアによって毎日コト細かく報道されている。
 世界各国の対策の良し悪しも比較される。それによっその国の為政者の質の良し悪し、レベルの高さ低さもうんぬんされる。
 
 周知のように、日本の為政者の評判はあまりよろしくない。
 ドイツのメルケル首相やニュージーランドのアーダーン首相の、早い時期における気合の入った適切な決断、台湾や韓国のITを駆使したスピーディーな対応などと比較されて、日本の政治家・官僚はノロくさくて頼りないというイメージをばらまいている。
 当人たちは、いちおう一所けんめいにやってるんだろうけどね。
 
 わしは政治的には、畑の中の一本足の案山子と同じで、右にも左にも軸足を置いていない。
 アベさんや野党党首らと兄弟盃も交わしていない。
 だから右にも左にも偏らず客観的にモノが言えるが、今回のコロナ騒動におけるアベ政権の評判の悪さは、じつは天の網にかかった結果なのだ。
 
 つまりコトはコロナ以前に始まっている。
 安倍政権はカケ・モリ・サクラ問題、あるいは公文書の改ざん・偽造・廃棄などが問題になり、疑惑を追及されたけれど、権力の座を最大限に利用して強引に押し切ることに成功した。
 成功はしたが国民に不信感を残した。
 だが国民だって底の浅い人間たちだ。そのうち忘れる。それを待つだけだった。
 
 だが完全に忘れ去られる前に、予想しなかったモノがやってきた。新型コロナウイルスである。
 そのタイミングの良さは、網の仕掛人はけっこう芸が細かいことを示している。
 ・・・というわけでアベさんがテレビの前で何を言っても、あるいはコロナ対策で何かやっても、国民は半信半疑の目で見ている。
 カケ・モリ・サクラ・公文書であんなことをやった政権だぜぇ。
 信用できるぅ~? どんだけ~? ・・・ってわけだ。
 
 だから彼のやることは、家庭へのマスク2枚配布にしても、芸人のSNS便乗にしても、トンチンカンな愚策ととられて国民から冷笑される。
 
 つまり彼は天の網を通り抜けられなかったのだ。
 
 天網恢恢疎にして漏らさず。
 
 わしもせいぜい、アベさんを “他山の石” としよう。
 

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