あとほんの少しであの世だった!!

爆発

 6月に入って間もない朝の6時過ぎだった。
 トイレへ行くためにベッドを出て、5,6歩歩いたところで急に意識が遠くなり、真後ろへ転倒した。
 寝起きの立ちくらみだった。避けようがなかった。
 頭の中に大音響の巨大な雷が落ちた。目の眩むような激痛が走った。運悪くたまたま後ろに堅いモノがあった。
 
 わしは悲鳴を上げた。
 認知症のカミさんはオロオロし、大声で泣き叫ぶだけで何もできない。
 声を聞きつけた隣家の奥さんが119番してくれて、なんとか病院へ搬送された。
 
 即入院。
 一週間後、全身麻酔で7時間かかる手術。
 
 頚骨(首の骨)が数ヵ所で骨折していた。
 高齢(87歳)で骨自体がぐじゃぐじゃに弱くなっていて、そのままでは手術ができない。まず腰の骨を切り取ってきて、移植しなければならなかった。
 
 のちに主治医が言った。
 このような状態で首の骨を折ったら、ふつうはまず首から下は全身麻痺、呼吸困難で死ぬケースだって少なくない。そういう症状が出なかったのは奇跡的だ、と。
 なぜわしに奇跡が起きたのか? ありがた迷惑?

 手術までの一週間、ベッドの上で身じろぎひとつできなかった。
 その間の苦痛は筆舌に尽くしがたかった。
 首を一ミリ動かしても耐えがたい痛みがあり、一週間ずっと、すぐ死にたい死にたいと思って過ごした。
 
 手術をしたあとは痛みの90%がとれて、やっと人心地がついた。
 それから約一ヵ月半ほど入院。
 やっと退院した後も、カミさんがデイサービスから貰ってきたコロナにかかったりして、体調は悪く、とてもブログを書く気力は出なかった。
 一日のほとんどをウトウト寝ているうちに、日が過ぎてしまった。
 
 二,三日前、突然ハッと気が付いた。
 こんな日々を送っていたら、老化→老衰が100メートル10秒を切るスピードで進行するゾ・・・と。
 頭がボケて、カラダも動かなくなったらどうする!
 わしはいいとしてもカミさんはどうなる。彼女は今やひとりでは生活できなくなっている。(わしが入院中も彼女の生活が大変だったらしく、周辺に大いに迷惑をかけた。ケアマネが助けてくれた)
 
 わしは思わずブルっと震えて、ベッドの上に半身を起こした。
 このまま身体の欲するままにしていたら、わが家はすぐ破滅だ。
 ムリしてでも体と頭を使わなくては、すぐにまた別の地獄が来る。・・・と思った。
 
 しんどい。しんどいが、生きるというのは、こういうことだろう。
 まずはブログを再開しよう。一行でも二行でもいいから何かを書くことから始めよう。・・・と思った。
 
 ・・・というわけで、いま、この文章を書いている。
 これだけでずい分疲れた。あとが続かない。
 
 これからは「毎週金曜日に・・・」などと言わずに、書ける日はできるだけ書くことにしよう。頭がボケないように・・・。できればだが・・・。
 ただし面白いものは書けない。
 日々死に近づいていく高齢の老人の、あるがままの姿を書く。
 思いついたらその時に、老人が屁をひるように書く。
 正真正銘、老いたらこうなる・・・という姿の実例。
 もはやそれしかわしには書けない。

ポチッとしてもらえると、張り合いが出て、老骨にムチ打てます

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当ブログは週1回の更新(金曜)を原則にしております。いつなんどきすってんコロリンと転んで、あの世へ引っ越しすることになるかもわかりませんけど、ま、それまではね。

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あとほんの少しであの世だった!!” に対して 6 件のコメントがあります

  1. 色呆け爺 より:

    5月のプログ以来、投稿が途絶えていましたので、体調がすぐれないのか?と、心配していました。
    立ち眩みから転倒され大怪我をされたとのことですが、長期入院の後、快方に向かい痛みも少なくなったとの事で、先ずはお慶び申し上げます。
    思い付いたらその時に書く、との事ですが、あまりご無理を為されませんように。
    私の女房も要介護2ですが、施設でお世話になるには家内が可哀そうですので、介護をしながら、暮らしていますので、「わしはいいとしてもカミさんはどうなる。」との、半ボケじじイ様のお気持ちが良く分かります。
    パソコンに向かうのも大変な時期だと思いますので、返事は結構です。
    半ボケじじイ様が元気でおられる事が分かっただけで安心しています。

    1. Hanboke-jiji より:

      コメントありがとうございました。
      貴兄の奥さんも要介護2とか。
      私の女房は数年前に認定されたときの要介護1のままですが、
      ケアマネさんは、今新しく認定を申請すれば、おそらく
      要介護2か3になっているだろうと言っています。
      いずれにしても、すぐ近くに同じような情況(運命と言いますか)を
      抱えた方がおられたことに驚いています。
      ・・・と同時に強い親近感と仲間意識、さらに心強さを覚えます。
      どうか今後とも、よろしくお付き合いのほど、お願いします。

  2. わすれ草 より:

    5月末の、今で思えば意味深なタイトルのあと更新されなくて、案じておりました。
    大けがをされてあの世手前まで行って戻ってこられたとのこと。
    大変な思いをされましたね。
    ご自分に鞭打ちブログの復帰、ありがとうございます。
    楽しみが戻ってきました。
    無理のない範囲での更新をお待ちしています。
    引き続いてお大事になさってください。

    1. Hanboke-jiji より:

      コメントありがとうございます。
      お言葉にありますように、これからはあまり無理をしないように、
      日々思いついたことを思いついたままに、そのままあるがままに
      ちびちびと書かして頂こうと思っております。
      本編に書きましたように、死に向かう高齢者の、一実例報告みたいな
      ものになると思います。
      どうか今後とも、よろしくお付き合いのほど、お願いします

  3. 官兵衛 より:

    本当に良かった。
    毎朝、毎晩、再開を待っていました。
    再開後のブログを見て正直、本当に嬉しかった。
    新しい書き込みを見て「バンザ~~イ。」と叫んでしまいました。
    傍にいたカミさんが驚いていましたネ。 
     状況は大変でしょうが、生きていると言う事は素晴らしい。
    私も一昨年、心臓を悪くして2回入院しました。2回の手術でまだ生き延びています。
    80過ぎの高齢者ですが、生きているだけで幸せです。
    これからは、又、半ボケ爺さんのブログを見るのが楽しみです。
    奥様の事も大変でしょう。他人事には思えません。
    お身体、第一。たまの書き込みで結構。
    私の生きる励みになります。
    ありがとうございます。

    1. Hanboke-jiji より:

      官兵衛さま

      コメントありがとうございます。
      官兵衛さんも一昨年、心臓病で2回入院2回手術された由、
      年をとってからも荒波にもまれている同輩がいるというのは、
      なんとなく心強いです。
      ヘタレを垂れていないで、自分ももう少し頑張ってみるか・・・
      という気が起こります。
      ま、お互いもうちょいねばって生きてみますか。

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