男性ホルモンが減る(上)
前回、数々の慈善活動でフランスで最も敬愛されていた高名な神父が、94歳で無くなるほんの少し前まで、長年女性にセクラハ行為を繰り返していた事実が明るみに出て、世間を驚かせた事件について書いた。(前回「聖人も人間」はこちらから)
その流れで、つぎのようなことが頭に浮かんだ。
日本には昔からこんなコトワザがある。
「英雄色を好む」
英雄はカラフルな色が好きだ、たとえば原色とかサイケデリックのような派手な色彩を好む・・・という意味ではもちろんない、よね。
英雄といわれる優れた才能や能力を持った男は、精力的であるために女色を好む傾向も強い、というくらいの意味であろう。
外国でも同じようなことを言うようだ。
ちょっと調べてみると、英語では、
”Who loves not wine, women and song, remains a fool his whole life long.(酒と女と歌を愛さない男は、一生愚か者のままだ)”
フランス語では内容的に近い言葉として、”Les grands hommes ont de grandes passions」(偉大な男たちは大きな情熱を持つ)”という言い回しがあるらしい。
前回で触れたように、人間の本性にまつわる事がらなので、他の国や地域でも、きっと同じようなことが言われているに違いない。
その繋がりでさらに思い出したのは、脛骨骨折の退院後、ひどい倦怠感に襲われていた頃に目にした記事である。
体の気だるさと共にすっかり生きる意欲も無くなってしまって、「これじゃいけない、認知症の妻もいることだし・・・」と気力を振り絞ってネットに救いを求め、さまよっていたら、男性ホルモンの一種であるテストステロンについて書かれた記事にぶつかった。
最近ちょくちょく目にするようだが、男性ホルモンの意外な効用について縷々解説が記してあった。
わしのような俗にして凡な男は、男性ホルモンといってすぐ頭に浮かぶのは、主に性的な事がらについてである。
つまり思春期に達した男の子にヒゲが生えてきたり、女性の体に興味を持ったりするのは男性ホルモンのせいだとか、男性ホルモンの強い男は性的に強い・・・とかいった俗言である。
「あいつの顔、いつもギラギラ脂ぎっていて、いかにもあっちの方のホルモンがいっぱい出ていそうだ・・・」なんて陰口をきいたりする。
だが実際には男性ホルモンは、そういう性的なことだけに関わるものではないらしい。
生活上の疲労感、ストレス耐性の低下、短気、うつ症状などに関係する。
加齢によって分泌量が減るので、老化の代名詞のように言われるさまざまな症状は、男性ホルモン(主としてテストステロン)の低下による影響が大きいのだという。
まさにわしにとっては目下の大重要問題だ。
それについて触れてみようと思うが、もう疲れたので次回にまわします。
当ブログは週1回の更新(金曜)を原則にしております。いつなんどきすってんコロリンと転んで、あの世へ引っ越しすることになるかもわかりませんけど、ま、それまではね。