ブログ再開 - ヒマラヤ山中で遭難

 当ブログは、ほぼ1ヵ月ほど前からお休みをしていた。
 高齢で引っ越しをすることの過酷さにネをあげて、ついに両手もあげそうになり(バンザイじゃないよ、お手上げ状態になったの)、おちおちブログも書いておれなくなったからである。

 それからほぼ1ヵ月。
 いやあ、大変だった! この年になってこんな地獄を見るとは、思いもしなかった。

 とりわけ引っ越しがあと2,3日に近づいた頃は、もうほとんどパニック状態だった。その時期になってもまだ梱包されていないモノがかなり残っていたからだ。ボケた老犬が食べ散らかしたあとの残飯のように。

 こんな状態のまま当日になり、引っ越し屋が来たらどうなるか。
 これじゃ仕事になりません、と彼らもお手上げ状態になり、帰ってしまうか。
 いや彼らだってプロのメンツがあり、なにより商売だから、辺り一面に散らばっている残飯を掻き集め、何もかも一緒くたにしてとにかくダンボールに詰めこみ、強引に引っ越しを完遂させるか。
 そうなると何がどの箱に入っているかわからなくなるから、開梱の際またジタバタしなけりゃならない。そのうえ契約にない梱包をしたので、とんでもない追加料金を請求されるかもしれない。
 ・・・なんてことを考えてあわてふためいたのである。
 
 というわけで引っ越しまえの最後の3,4日は、1日に2,3時間くらいしか寝ていない。当日前夜は完全徹夜だった。82歳にもなってカンテツをやるなんて、わしの人生設計にはなかった。(・・・って、若いころに立てた人生設計で設計どおりになったものはナ~ニモないけど)

 で、最後のほうは、立ったまま半分寝ている状態でやっているから、まともな作業などできるわけがない。
 準備を始めた最初のうちは、家具調度品等の取捨選択・・・捨てていくか持って行くかの判断も時間をかけて行い、場合によっては一度捨てたものを考え直してゴミ収集場から取り戻してきたりしたものだが、最後のほうになると、よくいえば直感的、悪くいえばその時の気分しだいで分別した。で、あとになって少し落ち着いたときに、「あれ、なんで捨てちまったんだろう!」と悔やんで、毛のない頭をたたき、歯のない口で歯ぎしりしたことは一度や二度ではない。
 
 しかし、ともあれ、どうにかこうにか引っ越しは終わった。
 ホッとしたか。
 とんでもない。
 ゾッとした。
 引っ越し先の家のなかが、山と積まれた荷物に占拠されてしまったからである。誇張ではなく文字どおり身の置きどころがない。そもそもこんどの家は、前の家よりかなり狭いのだから、こうなるのはある意味で目に見えていた。

 引っ越しスタッフのお兄さんが、トイレや炊事場や玄関など、人間が生きていくうえで欠かせない基本的な生活動線として、細い通路を作っておいてくれたのだが、それ以外はほぼダンボール箱が占領してしまったのである。
 
 こんなありさまだから引っ越し直後は、どこから手を付けていいか分からず、途方にくれた。引っ越し業者が用意したダンボール箱は色が白いので、さながら冬のアルプス山中で遭難して、身を縮めて高峰を見上げながらオロオロしている状態。
 
 食事は炊事場の近くにあるダンボールをテーブル・椅子代わりにして済ませたが、問題は寝る場所だった。引っ越し業者が、生活に必要な基本スペースとして寝る場所も作っておいてはくれたものの、それがほぼタタミ1畳分。そこにとにかく布団1枚を敷いて2人で寝る以外になかった。
 それにしても “夫婦同衾” なんて何十年ぶりだったろう。それをせめてもの神の思いやりと思うか・・・どうかは見解の別れるところだろう。

 ブログ再会第1回はやはり引っ越し話になった。
 仕方がない。未だにあちこちにダンボールが残雪のように残っている中で生活しているのだから。
 引っ越し話はまだ続くかもしれないぞ。

        お知らせ
当ブログは週2回の更新(月曜と金曜)を原則にしております。いつなんどきすってんコロリンと転んで、あの世へ引っ越しすることになるかもわかりませんけど、ま、それまではね。

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ブログ再開 - ヒマラヤ山中で遭難” に対して 2 件のコメントがあります

  1. はごろも より:

    エ~~~ェ~~!?
     コメント書いているサナカに 飛んでって しまいました。
    私は知らないよ!私はドッコモ触らないよ~・・ではなく どこかに左手が触ったんですよね。
    ・・・までは  言いわけ。
    さて 思い描いての通り。 大変さが ひしひしと感じます。
     どなたも同じことしてるんだわ。 捨てた後 なんで捨てた私?と思うし。
     いま たった今ここで使ってたんだヨナ?と いない人のせいにはできず。
    時間だけは タップリある現実  締め切りがないから  せかずあせらづ 段々に段ボールの数を減らしてくださいませ。
     谷間で 転びませんよう・・奥様ともども ご自愛くださいマセね。

    1. Hanboke-jiji より:

      今回、引っ越しという具体的にモノとぶつかる体験をして初めて、
      老いというものを実態を知りました。
      ひとつ年をとり、またひとつ年をとるということは、確実に
      生きものとしての力を1個ずつ失うことだということを思い
      知らされました。10ー1は9、9-1は8・・・というようにね。
      人生は数学です。いつかはゼロになります。ハイ。

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