ミエとホラ

ミエとホラ

 先日の朝日新聞の読者投稿欄に、こんな文章が投稿されていて、内心ちょっとビビった。

 投稿者は81歳、独り住まいの老女である。
 彼女は車なし、スマホなし、IT知識なし、頼れる知り合いなし。だが基礎疾患は持っている。・・・という身の上。
 次のように書いている。
 
「(もしコロナに感染して急速に悪化しても)相談窓口の電話はつながりにくい、PCR検査までに何日も待たされる、検査場、入院先へ行くのに公共交通機関は使えない、という。しかし、FAX機能も留守電機能もない旧式の固定電話だけが頼りの私は、耳が遠く、聞き間違いが多い。徒歩圏内のかかりつけ医に行くにも、体調が良くない時は、這うようにしてたどり着く。だからオンライン診察も、ドライブスルー検査も、遠い指定場所に徒歩で行くのも不可能だ・・・」 
 
 この老女の悲痛な訴えは、特別のものではないと思う。
 女性の平均寿命がいまや87歳を越えている現在の日本では、けっこう少なくないのではないか。
 
 早い話、もしわしが今夜にでも神サンのご機嫌をそこねて、もう不要不急のお前の面倒は見切れない・・・と言われてあっちへ持って行かれたら、こっちに残されたわが老妻は、先の投稿者と変わるところはない。
 
 奇特なコロナがいて、「あなた、好きよ!」なんて近寄ってきて手を出されたら、老妻にはなすスベがない。向こうさんの思うように蹂躙される以外にない。だって彼女は先述の老女といっしょで、丸腰同然。抵抗しようにも抵抗する手段がない。
 
 立場が逆で、老妻が先に行って後に残されたのがわしであっても、無力で裸同然のアワレな姿になるのは同じ。
 
 わしがカミさんより多少ましなのはパソコンいじりだが、そんなものいじれても何の役にも立たない。パソコンの早打ちでコロナを狙撃できるわけじゃない。彼女がわしより包丁使いがうまいからといって、包丁の刃でウイルスを切り刻めないのといっしょ。
 
 前回の記事でわしは、
「コロナにやられて死ぬか、体をなえ衰えさせて死ぬか、どっちか選べと言われたら前者を選ぶ。ひと様に迷惑がかからないよう注意しながら、ひとりひっそりとコロナを抱いて死ぬ。相討ち」
 ・・・なんて大ミエを切っているが、だいたい大ミエってのは大ボラと手を組んでいるのが相場だ。(前回の記事はこちら
 
 で、本当はこわくて目を背けていたコトを、新聞の投稿者に鼻先へ突きつけられて、たちまち体がフラつき、ガくっと膝を折ってしまった。
 
 弱き者よ、汝の名は老齢なり。
 
 ・・・ってまた口先で大ミエを切ったが、これはホラではない。実態だ。
 
 日本は、高齢化競争で世界の最先端グループを走っている。
 その意味では世界のトップモデルにもなれる。
 にもかかわらず、後続者の参考になれそうな ”高齢化社会対策” が為されている様子はない。少なくともわしの周辺では見えない。
 
 日本はせっかくのチャンスを生かしていない。放りっぱなしにしている。
 結果わしら高齢者もチャンスの恩恵に浴していない。
 
 怠け者よ、汝の名はニッポン政府なり。
 
 ミエでもホラでもない。実態だ。
 

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