雨がつづけば
「大工殺すにゃ刃物はいらぬ、雨の三日も降ればよい」
この言い回し、むかしはよく耳にしたものだけど、近ごろはあまり聞かなくなったね。
最近の家の普請は、工場で作った部材を大工は現場で組み立てるだけって言うから、そのせいかな。
しかも近ごろの普請仕事は、最初にまず屋根を葺いちゃうらしい。それから屋根の下の作業をやる。かしこいね。むかしの大工サン、なんでこんな単純なことを思いつかなかったんだろう。
・・・って、なんでこんな話が出てきたかというと、言うも恥ずかしいけど、オリンピックが終わったあたりから天気が崩れて、それからしばらく雨っぽい日々が続いた時期があったからだ。
降ったり止んだり。年寄りのオシッコみたい。
雨が止んだから、今のうちにスーパーへ行っとこう、と家を出たら、途中で雨が降り出す。
いちおう用意してきた傘をさすが、傘をもつ反対側の肩先や腕が濡れる。
そのせいか帰ってから風邪っぽっくなる。からだも熱っぽい。何をするのもけだるい。老人の体って免疫力もヘタッてきて、ちゃんと仕事をしないのだろう。やんなるね。
しかしまあわしらはその程度すんだが、西国のほうは記録的な大雨が降って、河川の決壊、内水氾濫、床上浸水、山崩れ、土石流の奔流・・・などで大変な状態になったようだ。その後に必要となる作業などを考えると、被災者のひとたちが気の毒で、胸が塞がる。
こういう災害が発生する度にわしはいつも思うのだが、こんな酷い目に遭う人と、そうでない軽微な被害ですむ人とのあいだには、いったい何があるのだろう・・・と。
被害に遭う人と遭わない人を分けているものは、いったいぜんたい何なのか。
・・・などと考えたところで、老いボケた頭にはとうてい歯の立つ相手じゃない。
結局、この世には運の良いひとと悪いひとがいるのだ・・・といった、小学生でも答えられるようなことしか出てこない。
じゃ、なぜ人間には運のよい人と悪い人がいるのか?
・・・と追い打ちをかけられたら、もう完全にわしの頭はネを上げちゃう。
誰か一言ある人がいたら教えて。
話は変わるが、わしはテレビや新聞やネットで、きるだけいま世界で何が起きているかニュースを見るようにしている。
何かの役に立つわけじゃないけど、世界にはいろいろな人が生きているってことは分かる。
まさに運のよい人と悪い人がさまざまに生きている。
それもさまざまなレベルの運の良さと悪さで・・・。
最近ちょっと目の端に引っかかったのは、ニューヨークのクオモ市長だ。
3期にわたってニューヨーク市の首長に選ばれ、さいきんでは新型コロナ対策の指揮で高い評価を受けていた。
ところが彼は、ふいに運に見放された。
かつての部下など複数女性からセクハラを告発され、彼を支持していたバイデン大統領にも見放されて、結局、辞職を余儀なくされたらしい。
「エライ人殺すにゃ刃物はいらぬ、セクハラ三つも暴けばよい」
・・・なんちゃって、現代じゃこっちのほうが身近だネ。
それにしても、男ってアホだね。だから人間なんだけどサ。
当ブログは週2回の更新(月曜と金曜)を原則にしております。いつなんどきすってんコロリンと転んで、あの世へ引っ越しすることになるかもわかりませんけど、ま、それまではね。