メカ音痴 スマホ山へ登る(中)

登山 機械オンチの親玉のようなカミさんが、彼女にとっては急峻なスマホ山に登ることになった経緯を前回に書いたが、今回はその登山の具体デス。(前回はこちらから)
 
 スマホを使うに際して、まず端末の電源を入れなくてはならないことは、さすがに彼女にも分かった。ま、蛇口をひねらなければ水は出なことくらい、保育園児でも分かるワね。(しかしその電源キーを別のキーと間違えないで押せるようになるまで、けっこう時間がかかった)
 
 パソコンでは、操作をするのにマウスをクリックして行なうが、スマホでは指先を軽く画面に触れる(タップする)ことで行う。
 だがカミさんがやると、該当のアイコンではなく、なぜか隣のアイコンや文字をタップしてしまう。なぜわざわざ隣に触れるのか理解に苦しむ。幼稚園児のころから、隣の席にすわる男の子が好きになるクセがあったのかい・・・と突っ込みたくなる。
 
 とにかくスマホを使うには、まずホーム画面に並んでいる目的のアプリをタップして起動しなければならないが、そう言うと、なぜそんなことをするのかと訊く。

 なぜ? と訊かれても答えに窮する。
 スマホはそういう仕組みになっているのだからと言っても、すんなり納得してくれない。どういう理由でそういうことをするのかが分からないと、操作が覚えにくいし忘れやすい・・・と一人前なことを言うのだけれど、そんなこと言われてもねぇ。
 
 答えを探しているうちに、「そもそもアプリって何?」と訊かれて、早くも絶望感が萌す。

 でもまあガマンして答える。コンピューター(スマホもその一種だ)で何かをするには、それぞれの目的に応じたプログラムを起動することが必須で、そのプログラムのことをアプリと呼ぶのだと。

 すると「プログラムって何?」とまた訊かれてウンザリする。
 プログラムとは、コンピューターに働いてもらうために、その仕事の手順や計算の仕方を指示するモノだ・・・。
 すると、「起動するって何をするこ?」とさらに追い打ちをかけられた。
 
 短気のケのあるわしはイライラしてきて声が大きくなりそうになる。
 しかしここでケンカになると元も子もないないので、我慢して答える。「起動する」とは、使わない時は物置きで寝ているプログラムに、ご苦労だけどちょっと起きてきて・・・と引っぱり出してきて働いてもらうことだと。
 
 しかしこんなメダカ問答をやっていたのでは、スマホを使いこなせるようになった頃にはわしらはあの世の住人になってる。
 
 そこでカミさんに訊いた。「毎日テレビを見ているけど、どうして地球の裏側でやってるサッカーや野球の実況を、ほとんど同時に日本で見られるのかちゃんと分かって見ているのか?」と。
 
 さすがに答えられない。そこでわしはすかざず言った。
「世の中には、どうしてそうなるのか分からなくても、ヘー気で使っているモノが山ほどある。・・・というより現代では、そういうブラックボックスに囲まれて生活している」
 だからスマホに関しても、いちいち理由を訊かないで、手順だけを覚えてくれないかと。
 
 この提案はありがたくもいちおう受け入れてもらえた。

 だが、手順だけをただ覚えるというのは、彼女の最も不得意とするところだった。そもそも彼女の認知障害の主要な症状は、記憶障害なのだ。

 だからやらねばならないのだ。
 ・・・が、今回もすでに長くなったので、その先は次回に・・・。

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当ブログは週1回の更新(金曜)を原則にしております。いつなんどきすってんコロリンと転んで、あの世へ引っ越しすることになるかもわかりませんけど、ま、それまではね。

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メカ音痴 スマホ山へ登る(中)” に対して 2 件のコメントがあります

  1. kanae より:

    自分のことを言われているみたいです。その時はできたのに、次の日には忘れたというか、出来ない。
    やってみると思い出すので(思い出さない時もある)、毎日やっていれば覚えられるのかな?
    でもきっと一日でも休むと、完全に忘れてしまうよね。

    1. Hanboke-jiji より:

      まったく老人には住みづらい世の中になりました。
      これが江戸時代だったら、若者には絶対まねのできない
      豊かな人生経験を生かして、大きな顔をしておれました
      のにねぇ。少なくとも小さくなっていることはかった・・・。

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