相性って何だ?

性格の不一致

 人間の関係には “相性” というものがある。
 相性が良くないと、なにかと折り合いがうまくいかない。
 あの人、悪い人間じゃないんだけど、どうもウマが合わないんだよなぁ、一緒にいると何となく居心地悪い・・・とか。
 もっと言えば、特に理由はないんだけど、どうもイライラしてくる・・・といった感じになる。
 
 人と人との関係に限らない。物との関係にもこの相性はある。
身近な例でいえば、かつてわが家の玄関のドアが古くなって、新しいのと取り替えたことがあった。
 するとその新しいドアが、閉めるときなぜか指をよく挟む。慣れないせいかと思っていたけど、いつまで経ってもくり返す。手ばかりか足の爪先まで噛みつくときもあるし、いきなりおデコをぶっつけて、コブを作ったこともある。どうもこの新しいドアはわしに悪意を持っているとしか思えない。

 それでいてカミさんには、そういうイケズな仕打ちはしない。彼女は新しいドアに不満はまったくないという。
 別にわしは、このドアに “新人イジメ” をしたわけじゃないんだけどなぁ。
 あっ、そういえば、ドアの取り替えが終ったとき、色があまりよくないねぇとは言ったけど・・・。

 動物が相手でも相性はある。
 ペットを飼うにしても猫派と犬派はほぼ半々に分かれる。ヘビやトカゲやカメなどの爬虫類を、部屋の中で飼っている人はけっこういる。
 ちなみにわしは爬虫類は大嫌い。総じてあいつらとはウマが合わない。特にヘビを見ると、どんなヘビでもリクツ抜きにトリハダが立つ。

 この「相性の良い悪い」はどんな対象にもあるとしても、暮らしていく上でいちばん影響が大きいのは、やはりなんといっても “夫婦の相性” であろう。
 運悪く相性が良くないことが結婚後に分かっても、それを理由に離婚するのは、子供でもできていればそう簡単ではない。
 しかも相性というのは、意志とか努力で変えられるものではない。

 で、相性のよくない夫婦は、一生、居心地わるいおデキを鼻の頭にくっつけたまま生きていく。
 時にはそのおデキが大きくなって、大喧嘩になることもある。
 ・・・生涯、そういう状態は変わらない。
 これを、人間の不幸と言わずして何と言うか。
 
 ま、人間には誰にも生まれつき “運” というのがあって、程度の差こそあれ、みんな “運のいい悪い” から逃れられない。
 最近のウクライナやガザのニュースを新聞やテレビで見ていると、そのことをひしひしと感じる。人間はどこに生まれるか自分では選べない。つまり運。

 この事実ひとつ取ってみても、人間・・・だけでなく生きものはみんな、”運” という理不尽なものをおデコにくっ付けて生まれてくるわけだ。

 なぜそんな生きものを、この世にわざわざ作りだすのだろう・・・とわしはいつも思い続けている。

 誰が作るのか知らないけど・・・サ。

 ・・・といって、そんなことグチってもしょうがないけど・・・サ。

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当ブログは週1回の更新(金曜)を原則にしております。いつなんどきすってんコロリンと転んで、あの世へ引っ越しすることになるかもわかりませんけど、ま、それまではね。

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