ゴミ大ッ嫌い
カミさんは昔からゴミが嫌いだった。
ゴミが大好き、という人もあまりいないだろうが、カミさんのゴミ嫌いは特別だと思う。
わしは昔から、ヘビが天敵の “ヘビ大嫌い人間” だが、カミさんはまあそれに近い “ゴミ大嫌い人間” ではないかと思う。
ゴミは赤い舌をチロチロ出したりしないし、ましてや噛みついて毒を吐いたりしないから、べつに恐れることはないと思うのだけれど、床(ゆか)の隅などに小さなゴミを見つけると、わしのヘビに対するのに近い反応をする。
そう言えば彼女の母親は、かつて異常に清潔好きな人だったらしい。
カミさんが小学生の頃、友だちを家に連れてくると、上にあがる前にいちいち足を拭かされるので、友だちがだんだん来なくなった・・・と回想していた。そんな母親の影響があるのかも知れない。
80歳になってもそうした影響から抜け出せないとすれば、アダやオロソカで親になれない気がする。だがそれだけの覚悟をもって親になる親は、実際はあまりいないのではないか。ナリユキでデキちゃった・・・というのが多いんじゃないの? 産まないほうはかなり自覚的に産まないんだろうけど・・・。
前置きが長くなったが、実はカミさんのゴミ嫌いが、最近とりわけひどくなった。
認知症の発症と関係があるのかもしれない。
家の中を歩いていても、天敵を見つけたような反応をする。
わしの目にはゴミが落ちているようには見えないが、老人には重労働の腰を曲げて手を伸ばしてるのだから、あることはあるんだろう。
家からゴミが無くなるのは悪いことではないから、文句をいう必要もないんだけど、実はちょっとメンドーなこともある。
それはわしの衣服のゴミまで拾おうとすることだ。この場合は “拾う” というより “取る” と言うんだろうが・・・。
外出する時はもちろん、家で食事をしているときや、テレビを見ているときでも、目ざとくわしの衣服に付いているゴミを見つけて手を伸ばしてくる。ノミのふんのような小さなゴミも見逃さない。
ごくたまにならまあいいだろう。老夫婦のホホエマシイ光景に見えなくもない。
しかし度々となると、いい加減メンドー臭くなる。はっきり言ってウルサイ。
かといって一方的に拒否すれば、トーゼン機嫌を悪くする。生活空間の匂いが悪くなる。メンドーだ。
そういえば、最近とくにこの傾向が激しいのは、3ヵ月ほど前に白内障の手術をしたことが影響しているのかもしれない。
老化で白濁していた目のレンズ(水晶体)を、まっさらな人工のレンズに取っ替えたからだ。
空を飛んでいる小鳥の顔もよく見えて、カワイイ、とのたまったくらいよく見えるようになったらしい。
となると、人工のレンズは加齢も老化もしないから、死ぬまでゴミ拾いもしくはゴミ取りは続くのかもしれない。
やれやれだネェ。
まあ人それぞれだし、人生は年を取るにつれメンドーなことが増えるから、こんなことをイチイチ気にしてたら身が保たないんだけどネ。
当ブログは週1回の更新(金曜)を原則にしております。いつなんどきすってんコロリンと転んで、あの世へ引っ越しすることになるかもわかりませんけど、ま、それまではね。
白内障の手術をすればそんな副作用?があったのですね。
私も10年前に家内は15年前に白内障の手術を受けましたが、似たもの夫婦とでも言うのでしょうか。
夫婦共にエエカゲンな性格で(良く言えばおおらか)、幸いなことに半ボケ自じじィ様の様な副作用は
ありませんでした。
私も物忘れが酷くなり、呆けるのも時間の問題かと思っていますが、家内は10年前からパーキンソン病を
患っており、薬の副作用か?、幻視・幻聴が酷くなってまいりました。その上呆けも加わり、最近では
夢と幻視と現実との区別がつかず、奇妙な話をすることが多くなり、それを否定も出来ず相槌を打つのに
苦労しております。
コメントありがとうございます。
年を取るとあれこれと不都合が多くなるのは
生きものの宿命でしようがないとはいえ、イヤに
なりますねぇ。
買い物の途中で出会う散歩中の犬も、若い犬は元気
ハツラツで見てても気持ちいいですけど、老犬は全身
から生きているのがしんどそうで、こっちまで辛くなり
ます。
それでも命がある間は、なんとか生きていかなくちゃ
ならないのも生きものの宿命でしょう。
おたがいガンバル以外にないですね。ガンバリましょう(半ボケじじぃ)