わが如意棒

孫悟空

「如意棒」というと誰でもすぐ思い浮べるのは、やはり「孫悟空」が振り回すあの棒であろうが、実はわしも一本持っている。
 
 話はちょっと違うが、春・夏・秋はまだいいとして、寒い冬の間、わしは「袴型足ゴタツ」を愛用している。
「袴型足ゴタツ」というのはわしの勝手な命名で、本当の名前が何であったかは忘れてしまった。何しろ買ったのは40年ほども前だから。

 ひと言でいえば、袴の先端部に小型の電気コタツを取りつけたようなもので、袴と同じように両足を入れて穿き、上部は袴どうよう腰まで引きあげてウエストで締める。
 当然歩けなくなるので椅子に座って使用する。
 足はコタツで充分に熱せられる。その熱気は袴の中を上にあがって、膝や太腿から臀部・腰部までポカポカと温かい。
 
 という訳で冬の間、パソコン仕事をするときはこの袴ゴタツが放せない。
 が、問題もある。
 ちょいと用があってパソコンの前を離れる必要のあるときに、いちいち袴(ゴタツ)を脱いだり穿いたりしなけれならないことだ。面倒である。
 
 すぐ近くにある小物を取ったり、本棚から本を抜き出したりするのにも、手が届かないといちいち袴を脱がなくちゃならない。
 また日が暮れてきて部屋の電灯をつけたいとき、壁のスイッチまで数十センチほど手が届かない。カーテンの開け閉めをしたいときも同様だ。
 
 いちいち面倒だなァと思っていたら、あるときふと頭の中に浮かんだのが孫悟空であった。
 子供のときから漫画や映画(アニメ・実写)で数かぎりなく見た孫悟空。
 あの暴れん坊がいつも手にしている棒ッ切れは、単純な一本の棒に見えるが伸縮自在で、さまざまに使われて、ほとんど万能の武器である。
 
 わしは物置きの隅でほこりを被っていた篠竹を引っぱり出してきて、適度の長さに切った。
 それをパソコンの傍に置いておき、ちょっと立つ必要のあるとき、椅子に座ったまま(袴を脱がないで)ほとんどその棒を使って用を済ませている。

 わずかに手が届かない手近なモノや、本を取るとき、あるいは電灯のスイッチのオン・オフも、窓のカーテンの開け閉めも、立たずに篠竹を使って用を済ませている。

「わが如意棒」と称する所以である。
「筋斗雲(キントンウン)」には乗れないけどね。
 
 ・・・なんて、どうでもいいことに付き合わせてしまって、スミマセン。
 

ポチッとしてもらえると、張り合いが出て、老骨にムチ打てます

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