すべてなるようになる

キョンキョンって知ってますか?
かって日本で一世を風靡したアイドル歌手、小泉今日子。
アイドル業界のことは蛇業界と同じくらい縁遠いわしでも、知ってる。
生きものは例外なく年をとる、ゾウもアリンコも地球も銀河も・・・。
アイドル小泉今日子も、今は還暦に近いらしい。まあバアサンに近くなったということ。
ザマァーミロ! と言いたいわけじゃない。
その小泉今日子が51歳になったとき、60歳以上の女性たち、つまり本物のバアサンたちに話を聞いて廻った。それが本になって世に出ている。
その本を、小泉と同じく還暦近くなったある女性が読んで、いたく感動したらしい。その女(A)がメルマガに書いている話を、たまたまわしが読んで感じることがあったので、それを書いてみる。
Aがとりわけ印象的だったのは、社会学者の上野千鶴子がした次のような話だった。
上野は言ったという。
「人生の中で、気力、体力、能力の3つのバランスがもっとも取れて、人間がフルスロットルで走れるのは40代の10年間。つまり、実は50代になったら、人生のピークは過ぎている」
Aは自分を顧みて、まさしく自分のことを言われたみたいで、激しく同感した。
・・・というか、ぐうの音も出ないほど、突き刺さった。
「じゃあ、どうしたらいいのだろう?」
と、50歳になったとき思案した上野千鶴子は、「考えを変えよう」と決めたという。彼女は言った。
「私が50代のとき60代の女性たちに話を聞いて回ったら、みんな口を揃えて、『60になったら、ラクよォ』と言っていた。実際、自分が60になってみたら、ラクだった、実感として・・・。
とにかく泣いても喚いても自分は60代。
この歳になれば、大事なことと、どうでもいいことの区別がつくようになる」
と上野は続けた。
「はっきり言って、老いは美しくない。無様だし、頭も身体も鈍くなるし、カッコよくコロッとなんか死ねない。『それでもOKなんだ』と思えたらいいんです。歳をとるって、そういうことなんだと、腹を決められればいい・・・」
60歳に近くなったAがこの話に感動したのはよくわかる。
60どころか90に近くなったわしなど、ブザマは自明の理で、頭も身体も鈍いどころか、ムリして何とかチョボチョボ動かしてるていたらくだ。コロッとカッコよく死ぬなんて、街でアイドルにスカウトされるのを望むくらい難しい・・・ことも知っている。
また、そういう自分の現実を嘆いても、はたまた怒り狂っても、どうにもならないことはもっとよく解っている。
そこでわしの最近の口ぐせは、
「あるがまま、そのままでよし、すべてなるようになる(なるようにしかならない)」
である。
夜中、日々進行する認知症のカミさんのことを思って寝られなくなったりすると、
「あるがまま、そのままでよし、すべてなるようになる」
と口の中でくり返し唱える。
・・・ま、これじゃまるで呪文だナ。
当ブログは週2回の更新(月曜と金曜)を原則にしております。いつなんどきすってんコロリンと転んで、あの世へ引っ越しすることになるかもわかりませんけど、ま、それまではね。