「鼻毛エクステ」って変なものが出てきたぞ
先月、とある大新聞のコラムが「鼻毛エクステ」なるものについて書いていた。
それによると「エクステ」とは「エクステンション」の略で、「拡張する、引き伸ばす」といった意味らしい。
したがって、ご婦人方がご愛用される「つけ毛」は「ヘアーエクステ」、「つけまつ毛」は「まつげエクステ」、あるいはさらに短くして「まつエク」とも言う。
横文字を混ぜると、なんとなくニセモノ感が薄れるところがミソだな。
これでお分かりですな、「鼻毛エクステ」が何モノであるか。
これも時には「はなエク」とも短縮して言うらしいから、近ごろの日本語の成長スピードはチョー凄まじい。
でもわしには、花の上を飛んでる「てふてふ」のスピード感のほうが好ましい。こういうことを言うと年がバレるんだけど。
いけない、横道に入りかけてる。急いで元にもどそう。
わしら世代の感覚では、「鼻毛」にいいイメージは持たない。いや悪いイメージしかない。昔の映画によくあったが、若い女にキスしようとして迫ってくるいやらしいエロおやじの鼻の穴から、栗のイガのみたいな鼻毛が飛び出していて、女ははげしく抵抗する・・・といった場面。少なくとも若い女にとって、鼻毛は嫌悪の対象だった。
ところが今の若い女には「鼻毛」は美意識の対象らしい。
だから自分の鼻にわざわざ「つけ鼻毛」、つまり “鼻毛エクステ” をほどこして、鼻毛がすこやかに成長して鼻の穴からはみ出しているように細工する。
といってもわしにはイメージが湧かない。だって見たことないもん、そんな “つくり鼻毛”。
そこでグーグルで画像検索をかけてみたら、出るわ出るわ。
さまざまなつけ鼻毛をした若い女が次からつぎへと現れた。まさにハナゲ爛漫の観。それを見てわしは隔世の感。
わしは思ったね。
そのうち、「耳毛エクステ」や「うぶ毛エクステ」「ホクロ毛エクステ」なんてのも出てくるかもしれんぞと。
今は嫌われている脇毛だって、そのうちカッコいいということになって「脇毛エクステ」、短縮して「わきエク」なるものが流行るかもしれん。
究極はさしずめ「いんエク」だろうな。
おい、その最後の「いんエク」って何だ?
言わない。分かる人には分かる。品性上等でない人専用。
いや~、なにはともあれ、世の中の変化って凄いワ。美意識も価値観も昼寝しているうちに変っちゃう。
こういうニュースに触れると、長生きはしてみるもんだ、という気に一瞬なる。一瞬だけどね。
もっともわしは、(くり返していうけど)鼻の穴につけるチョークールなつくり鼻毛より、花の上を飛ぶ自然のチョーチョー(てふてふ)のほうが好みだ。さっき落とした品性を取り戻そうってんじゃないぞ。
・・・なんて、へんに肩に力を入れるほどのことでもないわナ、この話。
よっぽどヒマなんだろ、これを書いてるヤツ。