大股びらきに冷水を、狸寝入りには爆竹を!(続編)

大股開き

 前回の記事で紹介したロシア発の動画「大股開き男に水ぶっかけ」は、わしがド肝を抜かれように、全世界の人たちにも衝撃を与えたらしい。あちこちで話題になっているようだ。(→前回の記事はこちらから)
 
 ちなみに海外の反響も含めて、わしの目に入ったネット上のいくつかつぶやきを挙げてみると、

・素晴らしいアイデア! これは大股びらきを止めることに繋がるでしょう
・彼らにはいい治療になったでしょ。紳士のように座ることを学んでください。
・喧嘩を売ってる。
・頭がおかしい。
・精神科への通院をオススメする。
・私がフェミナチに敬意を払わない理由がここにある。(フェミナチ=フェミニズムとナチズムを合わせた造語で急進的なフェミニストに対して使う)
・ニューヨークだったら彼女は生きてはいないだろう。
・狂ってるね。
・これは暴行罪を適用していいだろ。
・彼女を刑務所に入れて!!
・いつか刺されるぞ。こんなことを続けてたら。
・もし男性が女性に同じことをやっていたら、去勢されて17回の終身刑を言い渡されるだろう。
・彼女は運がいい。俺だったら殴ってるよ。あまりにも屈辱的で耐えられない。
・彼女は殴られたら、その暴力行為を非難する動画を作るつもりだったのではないか?

 一読してお分かりのように、批判的な口調が多い。これらの発言の多くが男からのものだからだろう(最初の2本を除いて)。なぜ男の発言が多いかというと、もちろん水をぶっかけられたのが男だからに違いない。

 だが、わしはふしぎに思う。これらのつぶやきをしている男たちに、彼女がなぜこのような過激な行為をしたのか・・・という動機へ視線を向けている者がほとんどいないことにである。唯一そこに目を届かせているのは、「極端すぎる。相手を傷つけずに指摘するべきだ」というつぶやきだけだ。

 これは、彼らが人間としての器が小さいことを思わせる。物ごとを自分本位から見てモノを言っているからだ。そういう人間だからこそ、人の迷惑も考えずに公共の場で大股を見せる男が後を絶たないのだろう。
 もし、そんな自分を他人の視線で見ることができれば、自分の股ぐらがそんなに美しくない・・・つまり大っぴらに広げて人に見せるほど魅力的でないことに気づくはずだ。

 ちなみに「大股びらき」のことを英語では「マンスプレッディング(manspreading)」と言うらしい。文字を直訳すると「男開き」。情けないね。わしも男だけど、男として「申し開き」ができないよ。

 しかしこれはまあ人間個人レベルの話だ。
 じつはこの事件には、背後にもっと大きな組織・団体が絡んでいる、と言っている人もいる。
 それらの人々の主張を手際よくまとめているのが、「BIGLOBEニュース」が10月11日にアップした記事だ。この記事を参考に、事件の組織がらみの工作がどう行われた可能性があるか・・・を見てみようと思う。

「やらせだ」「作られた」という主張の起点になっているのは、ロシアのとあるネットメディアが、公開された動画のなかで水をかけられた男性の1人を見つけたことである。男は取材に応じて「金をもらって演じた」と告白したらしい

 これを証拠として前面に押し立て、政治問題にまで視野を広げたのはEUだ。
 周知のように、ロシアのプーチン政権はフェイクニュースを流して米大統領選に介入したと言われる。いわゆる「ロシアゲート」疑惑だ。
 ロシアによるこのような「デマ」工作に対抗するために立ち上げられたのが、EUのキャンペーンサイト「EU VS Disinfo」だそうだ。
 この「EU VS Disinfo」が、くだんの動画の拡散に関わったロシアメディアは、実質的な国営媒体「RT(ロシア・トゥデイ)」の系列にあるとし、問題の動画はプーチン政権の政治的工作だった、と主張しているのである。

 しかし、いったい何のためにプーチン政権はこんな工作をするのか。・・・という疑問が、べつにわしでなくても生じるだろう。

 これに対する答えがなんとも心もとないのだ。
 いまやフェミニズムは世界的な動きになっているが、くだんの「男の大股びらきに水ぶっかけ」動画は、そのフェミニズムに水を差すためだというのである。えッ、と肩透かしを食わされる感じだ。

「BIGLOBEニュース」は書いている。
≪あえて「過激なフェミニスト」の姿を拡散することで世論の反発をあおり、「#MeToo」運動などで盛り上がる欧米世論の「分断」「混乱」を招こうとしている・・・というのが海外メディアのもっぱらの見方である≫

 おいおい、本当か? とわしなど眉にツバをつけたくなった。
 確かに、大股男に水をぶっかけた女があまりにも堂々としていて怖じけのかけらもないし、やられた男たちの反応もいまひとつ迫真力に欠ける。「やらせだ」と言われれば、ありうるかもしれないと思う。

 しかし、それを「やらせ」たのが「プーチン政権」で、狙いはそれによってフェミニズムが盛り上がる欧米世論を分断し混乱させることだ、などと説明されるとどうにも説得力に欠ける。耳かきを手に熊と戦おうとしているように思える。少なくともわしには・・・。

 そもそも、動画に撮られていた男が「金をもらって演じた」と告白したというニュース記事そのものが、作られたものかもしれない。
 EUの対抗サイトにしても、それがフェイクと重々知りながら利用したということだって、あり得ないことではない。

 こうなってくるともはや何を信じていいか分からない。

 WEB時代、SNS時代、AI時代、IoT時代・・・と世の中は猛烈なスピードで変わっていく。
 わしらのような老人は取り残されて、古びた蜘蛛の巣(WEB)に必死にぶら下がっているだけ。時代の風に揺すぶられて、今にも切れるんじゃないかとおろおろしている。

 いや実際、やがてその蜘蛛の糸もぷつんと切れてオサラバ・・・ってことになるんだが、結局、それが一番いいね。
 ・・・ってわけで「いいね!」をひとつ送信。

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