窓に灯りがついた

灯り

 2019年02月23日に書いた『灯りのない家』に、変化があった。(まずこちらをご覧ください)
 
 この家のリビングにふたたび灯がともった。
 テレビもチラチラと青い光を放つようになった。
 いよいよこの家の生活も元に戻ったのかな・・・と他人ごとながら何とはなくホッとする気持ちになったが、以前と全く同じではないようである。
 
 実は姿を見たことはないのだが、以前、この家には老夫婦がふたりで生活しているようだった。そんな気配が漂っていた。しかし今は、ふたり居るような感じがしない。
 
 ・・・と思っていたら、ある日、2階のベランダに洗濯物が干してあるのに気づいた。
 男物のパンツとTシャツ、男物ブラウスがあるきりだった。女物がなかった。
 
 さらに、カーポートから車がなくなった。
 ここにはまだ新しいプリウスが入れてあったのだが、その姿が消え、後にスクーターが1台ポツンと置かれている。
 前輪部分が傾いているのが、なんとなく首を垂れているように見えてしかたがない。
 
 生老病死、愛別離苦・・・。
 どのような人間にも、たとえ今は賑やかに生きている人でも、1人の例外もなく避けられない宿命である。
 
 今はまだ命をつないでいるこの家の夫のほうも、まもなく姿を消すことになるだろう。妻に先に死なれた男は、とたんに生命力が弱るケースが多いから。
 
 そして、この家もやがて取り壊されて更地になり、そこへまた新しい今風の家が建つのだろう。周辺のあちこちでしじゅう目にするように。

 そういう変化を見るのはそう遠いことではないような気がする。
 わしの命の灯が先に消えなければ・・・の話だけれど。

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