人間の限界を超える(続)

 世の中には信じられないコトをする人がいる。

 1300年の歴史の中でたった2人しか成し遂げていない「大峯千日回峰行。
 そして、飲まず、食わず、寝ず、横にならずに9日間を耐え抜く「四無行」。
 この2つの大偉業を達成した人間の限界を超えた人間・大阿闍梨の話を、前回紹介した。(前回はこちら
 
 その大阿闍梨が50歳を超えた今、日常どのようなことを心がけて日々生きているのかを、インタビューアーの阿川佐和子さんが問うた。
 それにどう答えたかを今回は紹介する。

 塩沼さんはこう話した。(番組を録画してことばを採取した)

「若い時は、ああいう(大峯千日回峰行や四無行のような)荒行で修行することができますが、年をとるとそういうことはできなくなります。
 しかし、若い時にはできないけれど、年を取るとできるようになることがあります。
 ストイックに自分を追い込むのではなくて、日々のちょっとした日常のルーティーンのなかで、少しずつ自分を高めていくことができるようになるのです。
 
 具体的には、日常生活の中で不幸を遠ざける生き方です。

 たとえば、ふだん何かでイラッとしたり、ムカッとしたりすることがありますよね。
 そんなとき、いつまでもそれにこだわっていると、矛先がどうしても相手に向かう。つまり原因や責任を相手のせいにして、恨んだり憎んだりすることになる。
 そうすると、自身の気持ちがだんだんと暗い方へ行ってしまい、人生も暗くなって行く。
 
 千日回峰行や四無行でもそうです。
 あんな苦しいことばっかりですから、どうしてわざわざこんなことを・・・という考えになってもおかしくないのですが、少しでもそんなことを思ったらやれません。
 苦しい辛いことを無理にでも明るい方楽しい方へ持っていく。満行したあかつきにはあれもしよう、これもやろう・・・と、修業の先にある明るいこと楽しいことを考えた。そうしたからできた。

 「運」という字は「運ぶ」とも読むでしょ。いいことを考えるといい方へ運ばれる。悪いことを考える悪いほうへ運ばれる。

 人間だから私自身も一日のうちに何度もイラッとしたりムカッとしたりすることがあります。でも瞬間的に頭の中を切り変える。明るい方へ持っていく。
 なぜなら、そうしないと人生が悪いほうへ行くからです。

 要するにイヤなことに囚われない。そうすると人生は悪い方へ行かなないで、明るい方へ行く。そして感謝を考える。

 言うは易しですが、難しくても、とにかく強い意思でそうするようにしています。

 まあ、こういうことを私自身も日常実践しています。」

 塩沼大阿闍梨はこんな話をしていた。
 
 わしの年になると、そういう生き方が賢明であることはわかるんだけど、わかっちゃいるけど・・・ってやつでなかなかできない。
 情けないねぇ。
 塩沼さんのような大修行をすればできるんだろうか。

 ・・・なんて今さら思ってもなんの意味もないねぇ。

 

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