シロクマ先生診療記(3)

入れ歯

 ついに上の歯がぜんぶ抜けてしまって、上半身丸裸みたいな情けないことになった。
 その結果、入れ歯が勝手に口の中で動きまわるので、食べものが噛めず、近くの歯科医に駆け込んだ。その経緯を前回と前々回に書いた。(前々回前回

 第1回目の治療で、歯科医はこれまでの入れ歯に手を加えて、とにかく勝手に動き回らないようにしてくれたので、食事はできるようになったが、何に呪われてるのか知らんが、その入れ歯がすぐにまた問題を起こした。

 食事をすると噛むのだ。
 お前さん、ナニ言ってるの? 噛めるように歯医者に駆け込んだんじゃないの?
 おっしゃるとおり。でもまあ、そこに複雑な(?)事情がありまして・・・。
 
 たしかに食べものは噛めるようになったが、因果なことに、実はその噛めるようになったこと自体が、新たなトラブルを引き起こしたのである。
 入れ歯に手を加えたことで、上下の義歯の噛み合わせ位置がずれたのにちがいない。食べものを噛むと、いっしょに唇のうらの粘膜を噛むようになったのだ。

 経験した者にしか分からないだろうが、自分の口の中を自分で噛むというのは、実に何ともいえない気分になる。

 トーゼン、まず痛い。
 自分で自分の口の中を噛むなんて、まるで予想もしないことなので、その意外性からくるショック感が加味されるのだろう、痛みだけでなく何とも表現しがたい情けない気分になる。
 
 しかも、コトはそれだけで済まない。
 噛んだ部分の粘膜が傷つく。
 そこから雑菌が入って、その部分が膿み、口内炎になるのだ。

 噛んだ直後はあまり痛まない。
 しかし1日2日すると、噛まれた部分に米粒大の潰瘍ができる。
 黄色い膿がたまり、周辺が赤く腫れる。
 そうなるとちょっと触るだけでも痛い。豆腐が触っても痛い。
 
 そういう状態のときに、あろうことか、同じところをまた噛むのである。
 考えてもみてチョーダイ。豆腐が触れても痛いところを、義歯がグキっと噛むのだ。跳び上がるほどに痛い。しっぽを踏まれて悲鳴をあげる猫など目じゃない。
 そういう “自己噛み” が、1回の食事中に2度も3度も起きる。
 これは堪らない。
 
 再度歯科医に走り込み、手直しをしてもらえばいいのだが、次回の診療予約は4,5日先だった。
 事情を話せば緊急に特別対応してもらえたかもしれないが、あの「日焼けシロクマ」に頭を下げるのは何とはなくイヤだった。
 そもそもは、このクマさんの1回目の治療の結果なのだ。とくべつ我がまま言ってるわけじゃない。それでも予約外の診療を頼むのは避けたい・・・という気持ちがなぜかあった。
 
 結局、次の予約日までガマンした。ヘンな負けず嫌い根性を持っていると、こういう愚かでムダなことをちょくちょく生産する。
 
 さて、ようやく予約日が来たので、堂々と胸を張って(なんで胸を張るの?)2度めの診療を受けた。
 因果はめぐる糸車・・・って何の因果か分からんけど、そこでまた次なる災難が降りかかったのである。
 このときの災難は、あらかじめ多少予想しないでもなかったんだけど・・・。(続きは次回)
 

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