眠る前のひとりごと

眠る前

 若いひとは、こういう気持ちになることは絶対にないだろう。
 わしも若いときは、そんな気持ちになったことは一度もなかった。

 それはどんな気持ちかとていうと、夜ベッドに入って、やれやれ、今日もなんとか無事に一日が終ったワイ・・・となったとき、ふと気づくと、
「カラダ(体)さん、今日も文句を言わずに、一日元気に働いてくれてありがとう」
 みたいなことを、枕の上でボソボソっと言っているのだ。
 つまり、そういうことを口にしたくなる気持ちになっているということだね。
 
 子供のころ、一時期、祖母の部屋でふとんを並べて寝ていたことがあった。
 そのころ祖母は80歳くらいだったと思うが、夜寝るとき布団に入って眠りにつこうとするとき、毎夜かならず、口のなかで何かをぶつぶつ呟いていた。
 
 何を言っているのか、子供のわしには分からなかったが、電灯が消された闇のなかで、訳わけの分からないぶつぶつ声が聞こえてくるのは、大好きなおばあちゃんだったけど、何となく気味がわるい気がしたものだ。

 いま思うとあのとき祖母は、現在わしが寝ようとすとき口のなかでボソボソ言っているのと同じようなことを、口にしていたのかもしれない。

 あの頃と今との間には、ほぼ80年近い年月が流れ、社会的な環境はまるで別世界のように大きく変わった。
 だが人間の基本の部分は何も変わっていないようにう見える。

 その変わっていないことが、なぜかホッとする気持ちにさせてくれる。

 いまの生活環境があまりに変化が激しく、目まぐるしいので、このようなまるで何も変わらないモノが近くにあると、なんであれ何とはなく気持ちが安らぐ。
 
 ま、そういうのが老人なんだろうね。
 どうってことない話だけど・・・。
  

ポチッとしてもらえると、張り合いが出て、老骨にムチ打てます

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当ブログは週2回の更新(月曜と金曜)を原則にしております。いつなんどきすってんコロリンと転んで、あの世へ引っ越しすることになるかもわかりませんけど、ま、それまではね。

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