ツイてない日(PART 2)

どしゃぶり

 2021年12月17日付けの当ブログに、『ツイてない日』と題する記事を書いている。(参照はこちら

 あの時のように、強烈に腹にくる(傍点)ような出来事があったわけではないが、先日、同じような「ツイてない日」があった。
 よくぞここまで裏目裏目の出来事が続くものだ、わしは何ぞ神サンの気を損ねるようなことやったか?・・・と本気で疑いたくなるような一日であった。
 
 まずその数日前に、カミさんがデイサービスからインフルエンザをもらってきた。それがたちまち当方にもリチギに感染して、その日は38度5分ほどの高熱があった。

 だがその日は、隣市の図書館に予約してあった本の、取り置き期限最後の日であった。世評の高い本で、それまで半年近くも待たされていた。ようやく順番がきたのに、絶対に取り逃がしたくなかった。
 
 インフルエンザは罹っても、1週間ほど我慢すれば通りすぎる。これまで何度も経験してよく知っている。熱はやや高いのでシンドイけれど、思い切って取りに行くことにした。バスに乗れば30分で行ける。往復でおよそ1時間の辛抱だ。
 
 前に一度失敗したことがあるので、その日が図書館の臨時休館日ではないことをウェブで確かめた。図書館カードもちゃんと忘れずに携帯していることを確認した。そして腹を据えて家を出た。
 
 時は8月の半ばで、青い空に白い入道雲が覇を競うように何本も立ち上がる、典型的な夏の晴れ日だった。
 家から最寄りのバス停まで歩いて4分くらいだが、そのわずか4分が、カンカン照りの太陽に晒されて予想以上につらかった。
 
 停留所にあと2,30秒で着くという辺りで、バスがやってきてわしを追い越した。
 走って追いつきかった。が、バス停は道の反対側あって、間にある車道には車が続いていて横断できない。

 イライラしながら渡れるチャンスを待って、ようやく向こう側に渡れたとき、バスはちょうど停留所から発車するところだった。あわてて大きく手を振って見せたが、バスはそのまま行ってしまった。

 ツイテない! これでこの真夏の直射日光と、次のバスが来るまで付き合わねばならない。
 
 停留所の時刻表をみると、次のバスが来るのは9分先だった。といっても時刻表どおりに来ることはまずない。
 
 やはりなかなか来なかった。それもいつもよりかなり遅れた。頭がフラフラしてきた。
 
 ようやくやって来たバスはかなり混んでいた。いつもはこんなに混んでいない。近ごろは時に席を譲ってくれる人もいるのだが、この時は誰も立ってくれなかった。降りるまで足を踏んばりながら立ち通した。あ~あ、ツイていない!
 
 図書館ではさいわい特べつ裏目を剥かれることはなく、ぶじ目的の本を借りることができた。ほっとして出口を出たところで、カミさんに今から帰るむね知らせようとして、手元にスマホがないことに気づいた。

 一瞬青くなった。スマホを失くしたらたちまち動きが取れなくなる。日々のスケジュールから各種メモがすべて入っているからだ。
 
 が、すぐ気がついた。先ほど本を受け取った受付けデスクで、図書館カードをスマホのケースから取り出したことを・・・。
 すぐさまデスクに引き返し、先ほどスマホをここに忘れたのだが・・・と訴えると、近辺を探してみて、ない、いう。同僚にも訊いてまわって、やっぱりここには残されていなかったと断言した。
 
 このときこそ本当に青くなった。本を受け取った後、どこにも寄っていないのだから、ほんの一瞬のスキに誰かが持っていったとしか考えられない。
 
 ぼうっとなって歩き始めると、近くの図書索引カードのケースの上に、ぽつんどわしのスマホがのっていた。
 思い出した。先ほど受付けで本を受け取ったあと、この図書索引ケースの所で、背中のリュックを下ろしてその中へ借りた本を入れた。そのとき手にしていたスマホをケースの上に置いて、そのまま忘れたのだ。
 気をつけているのだが、近ごろこういうことが多い。
 
 インフルエンザの熱もあって、全身にどっと汗があふれた。
 
 とにかく汗まみれの、気持ちの悪い体のまま家へのバス乗り場へ急いだ。
 バスはまたなかなか来なかった。ようやく来たバスでは席がひとつ空いていて座れた。
 
 ところがバスに乗っている間に、先ほどまで晴天だった空がみるみる曇ってきた。まさか急に雨が降り出すようなことは、なんぼ神の人が悪くてもないだろうと思っていたら、バスを下りたのを見計らっていたかのように、ポツンと雨粒がひとつ顔に当たった。ソートー人が悪いらしい。
 
 その雨は10秒しないうちに大雨になり、次の10秒で豪雨になった。そのまま歩けば次の10秒でずぶ濡れネズミになる。選択の余地がない感じで、歩道沿いの手近な民家の軒先に駆け込んだ。
 
 いま思い出しても信じられないが、このとき雨は、降り出したとたんに大型のどしゃぶりになったのだ。たちまち目の前の歩道が川になり、雨水が立派な急流となって流れた。当方は呆然となって、よその家の玄関先で身を固くしているだけだった。
 
 近ごろはやりの “ゲリラ豪雨” かと思うこの大どしゃぶり雨は、約15~20分続いて突然止んだ。と思うまもなくいきなり光が差して、太陽が顔を出した。空を見上げると3分の1ほどすでに青空だった。
 
 近ごろの世の中は何があっても驚かないが、この日のわしへの仕打ちは、予め何かが明確な意図をもって計画し、その計画通りにウラメ裏目を実行に移して、わざわざわしにぶつけた・・・としか思えない。
 
 人生にはこんな日もある。
 
 わし、そんなに悪いことして生きてきたつもりはないんだけどなァ~。 
 

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