日曜日の午後の公園にて(1)
改めていうまでもないけど、現在のわしは、毎日が日曜日だ。平日も休日も関係ない。
・・・はずだが、土曜・日曜・祝日は、朝起きたときから何となく心が軽い。平日とちがって、どこか気分が明るいのだ。
宮仕えから解放されて20年近く経つのに、未だに当時の気分が尾てい骨辺りに残っているのだろうか。情けないと言やあ情けないね。
それともうひとつ、現役世代が土・日・祝日にだす波動の影響を受けるのかもしれない。彼らは、
「今日は会社へ行かなくてもいいぞ。イエ~ィ!」
といった明るく軽やかな空気を地球上に発散する。地球をおおうその波動に、土・日に無関係な者まで感染する・・・のではないか、と、まあ、半ボケ頭で愚考するわけだ。
そのうえ天気でも良ければ、「ちょっと散歩にでも出てみるか」なんて気分にもなるわな。
で、外へ出てみるといっそう、「は~い、今日は休日で~す!」といった空気が濃密だ。
若いパパとママに両手をつながれて、歩道の真ん中をスキップしながら歩いている女の子。
それほど若くないパパを相手に、道端でキャッチボールをしている男の子。
ほとんど若くないママの胸に抱かれて、ふんぞり返っているチョッキを着た小型犬。
舐めるように愛人を・・・じゃなかった愛車を磨いている青年。
その青年に負けない熱心な愛撫の手つきで、小庭の草花の手入れに余念のない熟年男。
こうした善男善女がかもしだす休日の雰囲気は、甘い花の香りのように辺りに漂って、いかなる神経回路を経てかドーパミンやセロトニンといった脳内麻薬物質を分泌する。そして休日に無関係の当方までなんとなくほんわかといい気持ちにさせくれる。・・・のではないか。
そうした”週末の愉楽”の波長がとりわけ濃密に漂っている場所が、晴れた日曜の午後の公園である。
きょうから何回かに分けて、その公園で拾ったスナップを紹介する。
添付している会話はもちろん実録ではないよ。あくまで品性ゲスなわしの想像の産物だ。くれぐれも誤解のなきように・・・。
「ねえねえ、あなたの子供のころの夢、何だったの?」
「宇宙飛行士」
「わアッ、ほとんど同じ! わたしは、エアホステだっ
たの!」
「・・・・・・」
「どっちも空を飛ぶ仕事じゃない?」
「・・・・・・」
「話題、変えよっか」