夫に言われて妻がイラッとする言葉(中)
前回、「夫が口にして妻がイラッとする言葉」を列挙して、妻がなぜそれらの言葉にムカつくのか考えてみた。
突き詰めれば理由はきわめて単純で、要するに夫が妻の立場や気持ちに心を配らずにモノを言っているからだといえる。(前回はこちらから)
だが妻のほうも、夫がそういう言葉を口にする事情や背景に、心を向けていない。自分本位のもの言いをしている点では同じだ。つまり双方で、前述の「本能の縄張り争い」をやっている。
まあ、前回で挙げたムカつく夫の言葉例②の「俺は働いているんだ」などは、もし共働き夫婦なら、その夫はソートー鈍くさいマヌケ男だろう。前回に書いたような切り返しを妻からされて、いやおうなく沈黙せざるをえないのはトーゼンだ。わしにも弁護の余地がない。
しかし②のようなことを夫が口にするのは、多くは妻が専業主婦の場合にちがいない。
だが、たとえそうであったとしても、むかしと違って現代では、家事・育児がいかに大変な重労働であるかについて弁舌をふるわれ、ヘタをすれば家政婦の時給に換算されて、「あなた払ってくれる?」と逆ネジをくわされのがオチだ。ま、勝ち目はない。
③④⑤⑥も、ほぼ同様に妻のほうに理がある。
こういう、客観的にみれば明らかに不平等・不公平なもの言いを男がするのは、よく言われるように、過去の家父長制に由来する男尊女卑的意識が、当人が意識するとしないにかかわらず、男の尾てい骨のなかに今なお残っているからだだろう。
このような生活が絡んだ感情や意識は、時代が変わり人権意識が高まって、男女平等観が世に広ろまっても簡単には変らない。表面はともあれ本質部分は・・・。
尾てい骨のみならず、37兆個の(かつては60兆個といわれたが間違いだったらしい)細胞すべてに染みついているので、意識して変えようとしてもまあムリだ。結婚するとき「一生キミを離さないよ!」などと男が軽々しく口にする言葉と、同じに考えてはまちがう。え、関係ない?
ま、平たくいえば、男尊女卑的意識は、くされ縁としがらみをねじり合わせて紡いだ糸のように強くしぶとく、男の37兆個の細胞のなかに居座りつづける。その方が男にとって都合がいいからだ。
つまり放っておいては、男が自ら変わることはない。
ここはやはり、女性が声をあげて男の非に立ち向かわなければならない。
しかしこのとき、女性が男性の背景・・・いま述べた歴史的プロセスのみならず、個々の局面での男の気持ちや立場に配慮することなく、ただおのれの正しさのみの主張に走るのは、賢明ではないとだろう。
先ほど述べた単なる「本能の縄張り争い」に堕してしまうからだ。となると単純な弱肉強食になり、力のあるほうが勝つ。
その辺のところを、前回に挙げた「妻がムカつく夫の言葉」を例にして、わしなりに考えてみたいと思うが、少々長くなりそうなので次回で・・・。
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