失敗買い

口呼吸防止グッズ

 モノを買ったあとで、「しまった!」と思ったことってありませんか。
 自慢じゃないがわしは度々ある。

 各種通販が大手をふって表通りを歩いている昨今、実物を見たり触ったりしないでモノを買うことが多くなったよね。
 で、「失敗買い」がふえるのは当たり前の話。カロリー計算もせず手当たり次第にケーキ食べてたら、体重がふえるのと同じ。
 
 最近のわしの失敗は「顎サポーター」だ。
 
 かつてわしは当ブログに、『寝てるときくらい口を閉めてろ』(→ こちらから)と題した記事をアップした。夜寝てるときに勝手に口が開いて、口の中がスルメみたいに乾いてしまう悩みと、その対策を書いたものだ。
 本記事「顎サポーター」もその対策の延長線上にある。

 寝ている間に口が開くのは、最初は老化のせいだと思っていた。顎筋肉の経年劣化。ところが、若いひとでも “睡眠中口ポカン” 問題はあるらしい。

 調べてみると、”口ポカン” の対策用グッズは、さまざまな方法のものがネット上にある。
 説明写真でそれらグッズを着用しているのは、すべて若いひとたちだ。わしのような老人はひとりもいない。
 これって、それらのグッズの使用者には若い人もけっこういるってことじゃない? もちろん、シワくちゃ爺さんや婆さんの写真を出したんじゃ誰も買わん・・・ってこともあるだろうけどサ。

 で、”口ポカン対策” として多いのは、「鼻呼吸テープ」方式と「顎サポーター」方式だ。

「鼻呼吸テープ」は、バンソウコーみたいなテープを、唇の上に縦に貼って口が開かないようにする。

 しかしわしは、ある個人的理由があってこのテープは使えない。
 個人的理由ってなんだ? と思われる人もいるかもしれんが、前出の「寝てるときくらい口を閉めてろ」を読んでもらえば詳しく書いているので、そっちで確かめてチョーダイ。

 で、つまるところ、わしは「顎サポーター」を試してみることにした。
 「顎」は英語で「チン(chin)」というので、「チン・サポーター」ともいう。だが、日本古来の伝統的男性下着とまちがわれる可能性があるからだろう、なんでも横文字にしたがる日本でも、さすがにこれを商品名にしている業者は少ない。

 わしはアレコレ比べてみて、ある「顎サポーター」に白羽の矢を立てた。
 顎に当たる部分がアゴをしっかり捉える形状になっているし、それを頭の上へ引っぱって留めるパーツも、寝ているあいだに外れないよう工夫がしてあるようだ。値段もほどほど。いや同類他商品にくらべて多少安い。よっしゃ、これにしよう、とわしは必要な情報入力をして、「購入」ボタンをクリックした。
 
 ふつうネット通販は、購入手続きをしたら2,3日で品物が届く。ところがこの商品はなかなか届かない。
 1週間たっても10日たっても音沙汰がない。
 こりゃひょっとして詐欺にひっかかったかも・・・と本気で心配しはじめた頃になってようやく届いた。

 梱包をあけて現物をみると、外観は写真に載っていたものとほぼ同じ。(当たり前だけど・・・)
 さっそくその晩から使ってみた。付け心地もそんなに悪くない。
 翌朝、目を覚ましてみると、顎からも頭からも外れていない。ちゃんと装着したままの姿で顎を支えている。口のなかも乾いていない。睡眠中 “口ポカン” はなかったということだ。

 告白すると、わしは寝相のいい老紳士じゃない。そんなことは分かってるワイといわれそうだが、そんなわしがいちばん心配していたのは、寝ているあいだに年に似合わぬ運動をやって、サポーターが顎から外れてしまわないか、ということだった。その危惧はまあ一応クリアされたわけで、ひと安心したのだった。

 ・・・と思ったのはつかの間だった。顎を頭へ引っぱっり上げているパーツの布地が薄くなっているのに気づいた。ほとんど向こうが透けて見える。

 わしは愕然としたね。たったひと晩だよ。ひと晩使用しただけで、早くも肝心な部分の布に異変が生じているのだ。これじゃ1週間もすれば使い物にならなくなりそうだ。

 予感は的中した。1週間どころか4日目に布が切れた。
 そのままゴミ箱に放り込むにはあまりにもシャクだ。
 で、切れたところを別布で補修して使ったが、次々と他の部分が破れて、2週間ほどで完全にボロ切れと変わらなくなった。

 それで気づいた。これは中国製だったのだと。注文してから品物が届くのに時間がかかったのもそのせいだ。改めてラベルをチェックしてみると、端っこにシラミのような小さな字で「made in China」と書いてあった。

 中国はいまアメリカと世界の覇権を争う大国だ。
「一帯一路」と称する一大経済圏構想に見るように、それを支えるインフラ技術でも軍事力でも宇宙事業でもIT技術でも、世界の最先端を競って走っている。技術力において、すでに日本を凌駕している分野も少なくないといわれる。

 だが、年寄りのわしはよく知っているが、わずか3,40年前の中国は見るからにみすぼらしかった。
 北京の朝の通勤風景(を撮影した映像)など、いまも忘れがたい。男も女もみんな黄土色の国民服を着て自転車にのり、異常発生したバッタの大群が移動しているようだった。
 特に印象に残っているのは女性。髪も顔もオシャレの気がまるでなく、男とどこで区別したらいいか分からなかった。

 栄枯盛衰は世の習い。現在の北京や上海の映像を重ねてみると、つくづくそのことを身にしみて感じる。人も国も、時の移りとともに波のように浮き沈みする。
 
 このようにいまや勢いに乗る中国だが、一方で、わしが引っかけられた「チン・サポーター」のようなモノも作っている。なにしろ14憶人もいるのだ。世界中でブランド品の爆買いに走る中国人もいれば、ほとんど詐欺同然の商売で食べている人たちもいる。
 そのことを通販の失敗買いで知った。

 この世は人も国も波乗りだ。

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