以前にも書いたことがあるが、当地へ引っ越してきた際、あれやこれやを詰め込んだダンボール箱が、今なお手つかずのままいくつか放置してある。越してきて１年半を過ぎるというのに･･･。

　わしの生き方が慎重かつ丁寧であるからだが、うっかりすると次の引っ越し（あの世）まで丁寧なままで終わる可能性もある。
　とすれば整理するもしないも同じ。同じならあたら残り少ない労力を使う必要はないではないか･･･という選択肢も出てくるのは自然ではないか。

　ところが先日、とある道具が必要になったが、どうしても見つからない。
　ということは、未解放ダンボール箱のどれかの中で、いぎたなく寝ている可能性がある。

　やむを得ず古びた腰をあげて、未整理ダンボール箱の中を掻きまわした。
　すると思いがけないものが出てきたのである。

　写真である。それも66年も前の･･･。
　当記事の冒頭に貼り付けたのでご覧いただけるが、女盛りの美人女優と、ウラ若きわしとのツーショット写真である。

「66年前」などと細かく時期を特定できるのは、わが記憶力がまっ盛りのころに経験した出来事であると同時に、この写真を撮ったときの状況が明々白々で、わが個人史上動かしようがないからである。

　で、わしは、「そういえば自分にもこんな若き日があったのだ･･･」と当時のことをアリアリと思い出し、シミ・シワ・ハゲ全盛の現在と比べつつ、人生無常の厳ゼンたる現実に抑えがたき感慨を催したのである。
　
　･･･というわけで今回から数回にわたって、この写真が撮られたときの若き日の出来事を、その経緯とともに紹介しようと思う。
　

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