高齢男性はマスターベーションに励め

マスターベーション

 ヒマつぶしに Youtube の波乗りをやっていたら、こんな動画サイトに出合った。(上の画像は無関係)

「年を取った男は、しっかり自慰(マスタベーション)に励むべきである。できれば週2回は・・・」

 わしも長く生きているが、こういうことを大っぴらに公言する言説に出合ったことはこれまでなかった。 、
 しかしこれを発信しているのは、いい加減なことを無責任にバラ撒く類いのサイトではない。40年以上医療に従事してきた泌尿器科専門医師の言葉である。
 
 よく知らていることだが、男は加齢とともに「前立腺肥大」になる可能性がふえる。その結果、頻尿、排尿困難、尿漏れ、残尿感などといった症状が出る。あまり自慢して口にできる病気ではない。
 この前立腺疾患になる原因には、精液が関係しているという。

 精液は放っておいても男性の体内で日々生成される。生成されると前立腺に貯蔵されるが、一定期間内に排出されるべきものであるという。いつまでも溜めておくと、前述した前立腺肥大など問題が生じる。古い水の溜まったため池が、濁って腐臭を発するのと同じだそうだ。
 つまり前立腺内の精液は、定期的に排出されなければならない、という。
 
 ところが若い間はともかく、年を取るとその機会が少なくなる。
 「その機会」といえば一般的にはセックスであろう。
 しかし高齢男性となると、妻(パートナー)と死別もしくは離婚していたりして、そもそも可能である。“老いらくの恋” ってのもないではないが、そういうのはまあ極小。
 幸い妻が生きていても、誘いをかけたら白けた顔をされかねない。場合によっては頭がオカシクなったんじゃないの? と思われる。
 つまり精液を前立腺から排出する機会は、めっぽう少なくなる。人によっては皆無になる。

 だからそういう男性は、「今更そんな気になれない・・・」などと思わずに、自らの手で排出する努力をすべきである・・・つまり積極的にマスターベーションを行なうべきだ、と先の医師は言うのである。
 そのまま放っておくと問題が生じるからと・・・。

 しかもこの問題は、実は前立腺関連のものに限らないという。
 彼の患者さんで、囲碁が趣味で定年後は碁会所に通うことが唯一の社会とのつながりだったある男性は、たびたびの尿漏れで自尊心が傷つき、次第に碁会所に行かなくなった。やがて孤立してうつ病になった。
 また、社会生活から遠のくことで刺激が減少し、認知症も発症しやすくなる。
 あるいは睡眠障害が生じて、睡眠不全がさまざまな病気のもとになる。

 その行く先は、生涯にわたる薬物療法が必要になって、体に負担を掛ける。
 大規模な手術をすることになって、体力低下や精神的・経済的負担がふえる。
 つまり状況が大きく変わってしまう。生活の質を著しく低下させてしまうのだ。
 この問題は口に出しにくいのであまり知られていないが、実は高齢男性の重要な問題であるという。
 
 精液は定期的に排出されなくてはならない・・・というのは知らなかったが、言われていることはよく解かる。
 解かるがしかし、あと2週間ほどで満88歳になるわしには、さらにもう一つ問題がある。
 精液を自ら排出する努力をすべきだと言われても、この年齢になるとそれができない。つまり・・・あまり言いたくないが、マスタベーションそのものが機能しないのである。早くいえば射精できない。努力しても定期的に精液を排出する方法がないのだ。わしだけかも知らないが・・・。
 いやひょっとすると、もはや精液そのものが生成されていないのかもしれない。
 
 どちらにしても何とも情けない。
 わが人生もついに地に落ちたか・・・という感を拭えない。
 寂しいことは、まあ、さみしい。
 

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高齢男性はマスターベーションに励め” に対して1件のコメントがあります。

  1. 色呆け爺 より:

    面白いお話、ありがとうございます。
    私も拙いブログを書いていますが、今回のお話を元にスケベな話を書いてみたいと思います。
    半ボケじじイ様の様にユーモアとウィットに富んだ文章には程遠いのですが、頑張ります。

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