老人はテレビのお得意様だけど・・・

折れた木

 定年になり仕事から解放されて、一日じゅう自由になった老人は、昼日中何をしているか。

 ほとんどテレビを見ている。言うならそれが老人の仕事である。

 有り余る時間を地域社会に役立つことに使うとか、自由になったらやりたかった勉強とか研究をする老人も、いないことはないだろうが、そういうリッパな老人の数はそう多くない。・・・と周辺を見回して思う。

 テレビがなかった昔は、新聞や雑誌の活字を追ったり、季節の良いときには家の前に椅子を出して、何時間も往来を眺めたりしたものだが、テレビが家庭に100%普及した今では、なにはともあれまずテレビの前に座る。見たい番組があってもなくても・・・ネ。
 
 結局、それ以外にすることがないからだ。
 あるいはそれがいちばんラクだから。
 だから顔はテレビに向いていても・・・いや視線もテレビへ向けられていても、実際はテレビを見ていないことも多い。
 やっている番組がたまたま興味をひけば別だが、興味がなければ、べつにムリして見る必要も義務もないからネェ。
 
 で、そういうときはテレビの前で何を考えているか。
 じつは何も考えていない。
 目の網膜の上にテレビの画像は通りすぎていくが、それがさらに視神経を通って脳にまで伝えられてはいない。
 要するにチコちゃんが言うように、まさにアホみたいにボーッと生きてるのである。

 ・・・という訳で、老人がテレビを見ながらよくするのは、居眠りである。
 わしら夫婦もこれがお得意である。
 テレビを見ていてふと気がつくと、いつの間にかウトウトしている。
 で、目を開けてひょいと横を見ると、隣でカミさんも舟を漕いでいる。
 夫婦そろって舟漕ぎ・・・なんて仲がヨロシイ、というか、あんまり人に見られたくない光景である。面白くもおかしくもない。

 ただ、こんなどうでもいいことでも、人によってそれぞれに個性があるところが、面白いといえば面白い。

 カミさんの “テレビ前居眠り” の特徴は、目を覚ました時にたいてい何かひとこと言うことだ。
 何を言うかというと、目の前のテレビがやっている番組の内容について、何かしらひとこと意見とか感想を言うのである。この役者さんの演技、いつもちょっとわざとらしいわね、とかなんとか・・・。
 しかもその言っていることが、たいてい、その番組の内容からそう大きく外れていないところがフシギである。間違いなくその直前までしっかり舟を漕いでいたのだから。彼女は寝ていてもテレビを観賞する特殊能力を備えているのか・・・とネ。

 わしの「テレビ前居眠りの特徴」は、首を前に折らないで後ろに折って寝ることだ。
 で、目が覚めるのはいつも首筋が痛くなってそれで覚める。

 首を後ろに倒して寝ている他人を見たことがあるが、台風で木の幹がざっくり折れてるみたいな、かなり無理な姿勢である。あれでは首筋が痛くならないはずがない。

 それがどうした、と言われたら返答に困るけど、ま、今回もどうでもよいことを書きました、と言う以外にアリマセン。

 老人の命そのものが用の済んだ余り物だから、何を書いてもどうでもよい話になるのは致し方ないのでアリマス。

 で、どうかご容赦を!

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