玉が消えた日 (1)

そけいヘルニア

 わしとしてはガンバッて、前回まで4回にわたって「老人の性」について書いてみた。(参照! →「残り香にゆすぶられて -高齢者の性- (1)」

 若い人・・・それも世の汚濁に触れることなく、清く正しく美しく育った若い人のなかには、「えッ、老人もエッチするの?」と素朴に、というか天真爛漫に思われる向きも、ないことはないかもしれない。
 そこで、このあいだの誕生日で81歳になった、正真正銘の本物老人であるわしが、「老人の性」の実態をについて、ま、ちょいと触れてみたわけだ。実体に触れたわけじゃないよ。誤解なきように。

 今回は「老人の性」とちょくせつ関係はないんだが、男にとっちゃまるで関係がないわけでもない・・・という話を書いてみる。
 題して「玉の消えた日」。

 日本語には、人間に関連するあるモノを指して、「玉」と呼ぶ言葉がある。そしてその「玉」には、目に見える玉と、目に見えない玉がある。

 目に見えない玉って、そんなものあるかい、と思う人もいるかもしれないけれど、案外あるんだ、これが・・・。
 まず「カンシャク玉」。こいつは頼みもしないのに勝手にノコノコ出てきて爆発するので困る。「爆発する」から目に見えるとも言えるが、爆発してるのは結果状態であって、「玉」そのもではない。

 世の中に出ると誰でも知ることになるが、この世にはいろんな人間がいて、「善玉」もいれば「悪玉」もいる。「親玉」ってのもいて、ニラミをきかしており、ヘマをすると「お目玉」を頂戴する。
 若いときには「上玉」に首ったけになって、うまいこと「手玉」にとられ、それをまた「肝っ玉」かあちゃんに見つけられて、「首っ玉」を押さえつけられて「大目玉」を食う。
「替え玉」を使って「鉄砲玉」のように逃げたのはいいが、古池のほとりでカッパに「尻子玉」を抜かれて万事休す。・・・な~んてね、けっこうあるだろ、人間にかかわる目に見えない「玉」。いま挙げただけで13個。

 いっぽう目に見える方の「玉」は意外と少ない。
 代表はまず「目の玉」だろう。人間に入る情報の80%以上が視覚情報だそうだからね、この「玉」様がいてくれないと、人間は夜も日も明けない。「、(点)」ひとつ取れば「王様」だもんね。

 では「目の玉」のほかに、「目に見える玉」にはどんなものがあるか。
 下のほうにもう1つ(2つ?)あるだろ、男にしかないけど・・・。

 そう。ご婦人たちの眉がひそめられるのが目に見えるようだが、勇をふるい起こしてはっきり言うと、「金玉」。
 豊臣秀吉がよろこびそうな一字をなぜ「玉」の前にくっつけたか。
 それはこの玉が、「家の宝」である子孫を残すのに必須の、精子をつくる器官だからだ・・・とわしは想像する。少子高齢化社会のトップを走るニッポンでは、いまに「国の宝」と呼ばれるかもしれない。

 今回はその「金の玉」に関わるわしの体験話をしようと思う。と言っても想像されるような艶っぽい話ではないゾ、残念ながら。

 小学校に上がる少し前だった。
 あるとき気がついたら、望みも頼みもしないのに、わしの例の「宝」がなぜか大きくなり始めたのである。
 といってもそれほど速いスピードではない。つまり子供が頬と一緒にふくらませる風船玉みたいじゃない。1,2時間おきに見るくらいでは変化は分からないが、1,2週間おいて見ると、前よりどことなく大きくなっているように見える・・・とまあ、そんな程度だった。要するに遅々とはしているが、日々確実に大きくなったわけだ。

 かくしていつのまにか(これを書くのはこの年になってもちょっと恥ずかしんだけど)両脚の間に、瓢箪みたいなものがどろ~んとぶら下る・・・といった、どこから見ても晴れ晴れとしない光景を呈するに至ったのである。

 結論からいえば病気だった。病名は「そけいヘルニア」。別名「脱腸」。
「そけい」は漢字でかけば「鼠蹊」で、両脚のつけ根部分にある三角地帯をいうらしい。「ヘルニア」は「椎間板ヘルニア」などでもおなじみだが、もともとはラテン語で「脱出」を意味する言葉だそうだ。

 で、「そけいヘルニア」とは要するに、鼠蹊部にあって本来は閉じているトンネル部分(鼠蹊管)を通って、腸などの内臓器が陰嚢などありえな所へ出てくる病気をいう。どっちかというのマイナーな印象だけれど、実は毎年かなりの患者数が出るメジャーな病気だそうだ。

 この病気は、治療に必ず手術が必要となる代表的な疾病(つまり投薬とか放射線とかの治療は不向きな病気)で、医師の間に、「痔と脱腸があるかぎり外科医は食いっぱぐれがない」という冗談があるくらいだそうだ。

 病気の進みぐあいが緩慢なこと、初期はほとんど痛みを伴わないこと、入院の煩わしさや手術の怖れがあることなどから、治療をしないで放置したままにする人が多いらしい。まさにわしもそのひとりだった。

 もちろん、これらの知識は大人になってから仕入れたもので、当時のわしは何も知らなかった。しかし子供ながらも(・・・いや子供だからこそ本能的に)手術にともなう痛みを察知したのだろう、親が病院へ連れていこうとしても、頑固にイヤだと言いはったらしい。三つ子の魂なんとかで今でもその傾向はあるが、むりやり連れて行こうとすると、道端の電柱にしがみついて泣きわめき、抵抗したらしい。結果、前述したような「どろ~ん」状態に立ち至ったたわけである。(昨今の「ドローン」は空を飛ぶようだね)

 ええーと、ここまでで既にブログのスペースをかなり費やした。ちょいと疲れてもきたので、このつづき(手術までのドタバタと、手術日当日の驚愕のハプニングについて)は、次回に回すことにする。すみません。・・・ってお前、お前さんが頭で本筋に関係のないことをゴタゴタ書いたからだろ。
 へえ、分かってます。スンマヘン。

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