トイレ・リフォーム余話

 前回、高齢の義母の暮らしやすさを願ってリフォームしたトイレが、かえって義母を苦しめた話を書いた。
 きょうはその姉妹編。(→前回はこちら
 
 さて、古式ゆかしき “しゃがみ型” から、”最新式温水洗浄器付き” にリフォームしたトイレである。
 前回に書いたようにトイレでブランコするような事態は、さすがにわしには生じないものの、別の事態が生じた。
 操作ができないのである。もしくは操作が難しいのだ。
 
 トイレで “操作” といえば、「古式」なら簡単かつ明瞭である。使用する側が衣服の一部を下ろすなりずらしなりして必要部分を露出させ、あとはただしゃがむだけだ。それだけで準備は完全完了。あとはひたすら本来の目的に没頭すればいい。

 ところが最新式は、しゃがむかわりに便座に座るまでは同じだが、それ以外にもいろいろと操作が必要である。

 まず便座と洗浄水の温度調節である。これを間違えたり忘れたりすると、真冬に裸の尻に氷の板を押しつけられたり、冷水を浴びせられたりする。

 そもそも冷水は頭から浴びせられるのがふつうだが、お尻から浴びせられるというのも、これまた一味ちがって楽しくない。場合によっては風邪をひくアフターサ―ビスまで付く。
 
 そこでふつうは多少電気代はかかっても予め温度設定をしておく。
 だがその設定が老人にやさしくないのだ。
 
 理由はまず設定ボタンの位置。
 便器によっては便座横の後ろのほうにある(わが家のがそうだ)。しかもボタンの機能を示す文字が小さい。「字が小さくて読めないッ!」って大声で怒鳴るテレビCMじゃないが、拡大鏡をもってくる必要がある。
 
 つまり目に拡大鏡をかけ、便器のうえに体を乗り出すようにして設定ボタンを押さなければならない。便器にはまだブツは入っていないとはいえ、気分爽快とはいえないし、体の姿勢がムリなので、老人にはやさしい作業ではないのだ。
 
 さらに問題になるケースがある。
 冬場ではとくべつに寒い日がある。そういう日はすわったあとで便座の温度をもっと上げたいと思うときがある。しかしすでに便器上で作業中である。
 そこで便座にすわったまま体をひねり、首をまわして温度調節ボタンを押すことになる。が、それがなかなかできない。
 
 理由を改めて言わせないでほしい・・・といっておいて言うのだが、要するに体が固くなっているからだ。ガンバッテやろうとすると、枯れ木をムリに曲げようとするようなものでギシギシいう。折れはしないだろうが、スジをちがえる可能性がある。何より手がボタンまで届かない。
 
 ここでも高齢者への社会の配慮がないことが透けて見える。
 
 何でも社会のせいにするな、お前が安物を買うからだ・・・という声もあるかもしれない。
 しかしねぇ、温度調節のボタン位置を変えるくらいのことに、そんなに金がかかるとは思えない。高齢者への問題意識・・・というか配慮があるかないかの問題だと思う。
 要するに、生産性のないヤツらには金も配慮もかけることたァない・・・というのが社会の本音じゃないだろうか。
 
 誰も言わないけど。
 誰も言えないけど。
 

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