ときおり不思議な音がする家

 去年引っ越しするまでほぼ30年間住んでいた家は、英国のテラスハウス風の2階建て集合住宅だった。

 築30年以上経っても建付けはビクともしないし、間取りや収納もよく考えられており、住みよい家で気に入っていたのだけれど、ひとつだけちょっと気になることがあった。
 
 ごくたまにだが、深夜に妙な音がするのである。
 どんな音かというと、ビー玉がフローリングの床に落ちて転がる音。
 子供のころに遊んだビー玉を室内で放り投げれば、床に落ちてコロコロと数秒間転がる。
 まさにその音、それ以外に表現のしようがない音である。
 
 その音は多く、わしが2階の自室にいるときにした。それも遠くでする音ではない。すぐ近くでするような臨場感のあるリアルな音だ。すぐ上の階か、天井裏あたありでビー玉を落としたらするような音。
 
 しかし2階建てのテラスハウスなので、上階はない。
 もちろん集合住宅なので、両側にはコンクリート壁を隔てて他家の住宅がくっついている。そのどちらかで発する音が、建物の構造材を伝わって聞こえることは考えられる。
 
 しかし両側に住んでいるのは、80歳前後の老婆と、定年前後の老夫婦だけである。両住人とも、時おり思い出したようにビー玉遊びをする年齢ではない。もししていたらそれはそれでちょっとブキミだけど・・・。
 
 お隣の老人たちが、深夜にビー玉遊びをすることはないにしても、コインとかボールペン、お猪口とか箸置きといった生活小物を落とすことはありうる。
 それで、ためしにそういった小物を床に落としてみた。
 明らかに違う音がした。そもそもお猪口とか箸置きはほとんど転がらないし、転がってもビー玉が転がる音にはほど遠い。
 
 机の引出しの奥にビー玉があったので、実際に床に落としてその音を聞いてみた。
 ビー玉の音は、コインやボールペンなどの生活小物の音とはまるで違った。
 しかし深夜に聞こえる音とはまったく同じだった。
 
 さらに気になるのは、その “ビー玉コロコロ音” が、まるでコピーしたように毎回まったく同じだということだ。音質も音がしている長さも。録音したものをくり返し再現しているのと同じ。現実の音なら毎回少しずつ違うのではないか。
 
 もうひとつ引っかかるところがある。
 その音がするのはカミさんがいないときに限るのだ。わしらは夫婦ふたり住まいだが、カミさんはそんな音は聞いたことがないという。
 
 数ヵ月に1回くらいする音なので、カミさんが耳にしないのは「たまたま」だということもありうる。しかしほぼ30年間なのである。その間にカミさんが一度も耳にしたことがないというのも、ふしぎ。考えにくい。なにか意味があるのでは・・・と重いたくなるのだ。
 
 また、寝ているときにその音で目が覚めた・・・というようなことはない。
 多いのはカミさんが老母の世話で実家に行っていて家にいないときに、たまたまわしがひとりで夜更かしをしている深夜である。
 
 これらのことを総合し、ビー玉音の原因や理由を考えるのだが、すっきりしない。納得できるスジの通った説明ができない。
 
 今朝、前後の脈絡もなくひょいとその音のことを思い出したので、書いてみた。
 

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当ブログは週2回の更新(月曜と金曜)を原則にしております。いつなんどきすってんコロリンと転んで、あの世へ引っ越しすることになるかもわかりませんけど、ま、それまではね。

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