デジタル庁とマイナポイント あるいは不平等と弱者切り捨て
マイナポイント?
マイナポイントって何だ?
と思ったひとは多いはずだ。
この9月に入ってからとつぜん、マスコミがこの言葉を連呼しはじめたからね。
実はわしもその何だ組のひとりだ。
オッチョコチョイの気のあるわしは、最初「マイナスポイント」と間違えて、見逃すと何かマイナスになることがあるのか?・・・と慌てて新聞やネットの記事を読んだよ。
菅新内閣が目玉商品としてデジタル庁を作ったように、日本はITインフラの整備が諸外国よりソートー遅れていて、これが国の緊急課題らしい。その中心になるのが、まずはマイナンバーカードの普及なんだそうだ。現時点でカードを取得した人は、未だ20%程度しかいないという。
早い話、そのマイナンバーカードの普及のために、国民の前にぶら下げられたニンジンが「マイナポイント」である。・・・とひとまず言えそうだ。
この「ポイント」制度に乗って(予約・申し込みをして)、キャッシュレスで買い物をすれば、5000円を上限に政府が25%を肩代りしてくれるという。ただしこの恩恵を受けるには、マイナンバーカードを持っていることが前提で、その上でキャッシュレス決済をしなければならない。
マイナンバーカードの普及と同時に、消費の喚起とキャッシュレス化を推進できるということもあって、この企画を考えた役人は、一石三鳥のうまい手をあみ出したワイと思ったかもしれなんが、じっさいにこの制度を利用しようとすると、あっちやこっちに壁というか穴があって、国民にとってそんなにうまい話ではない。よだれを垂らすんじゃなかったよ。
まずマイナンバーカードの所持が必要なので、まだ持っていない人(国民のほぼ80%)はまずマイナンバーカードを取得をしなければならない。
これには面倒な手続きが必要で、時間もかかる。
その上で問題の「マイナポイント」の予約・申し込みをするのだが、これにもまた面倒な手続きが必要だ。
わしのようなビンボー人でなければ、たった5000円ぽっちのためにこんな面倒くさいことやってられるか、と蹴飛ばすだろう。
しかしまあビンボー常習者のわしは、すでにマイナンバーカードを持っていたこともあり、少しでも貰えるものは貰わない手はないワイと貧乏くさい欲を張り、マイナポイントの予約・申し込みをするために、最寄りの手続きスポットへのこのこ出かけて行った。
ところが思いもしない応対を受けた。
断られたのだ!
えーッ、なんで?
・・・とわしは思わず、日頃のわが行状を振り返ったよ。
最近なにかお上に見咎められるようなことをしたか?! と。
するわけがない。そもそもそんなエネルギーがない!
ときたま気晴らしにパソコンの「18歳未満の人は入れません」という文言を掲げたサイトに首を突っ込むことはあるが、わしは「80歳未満」でさえないのだから、それがお咎めの理由になるとは考えにくい。
わしはキャッシュレス決済に、クレジットカードを使っている。
実は、そのわしの使っているクレジットカード会社が、国の「マイナポイント」事業に参加していないという。だから申し込めないと。
・・・ということは、「マイナポイント」への参加・不参加は、各決済事業者の自由だということになる。
言うまでもないが国の仕事はすべて、国民のために国民の税金を使ってやっている。義務にしろ権利にしろ、個別の事業者しだいで国の施策が受けられるか受けられないかが決まるなんていうことがあっていいのか!
これは絶対におかしい!
それだけではない。
業者によっては、「マイナポイント」の予約・申し込みが、手続きスポットでのアナログ作業ではできず、スマホかパソコンでのみで受け付けるケースもあるという。
それでは、スマホやパソコンができない国民(多くは高齢者だ)はどうすればいいのか。今の日本には子どものいない独り者高齢者は多いのだ。
これはもう明らかに切り捨てである。
スマホもパソコンもいじれないような人間は、面倒見切れないから放り出す。国の施策を受けられなくても仕方がない、諦めてくれ。
・・・と言っているに等しい。
わしは久しぶりに怒ったぞ!
かつては営々と働いて、文句も言わず(裏では小声で言ってたけど)税金を払ってきた者に対する国の仕打ちが、これか!
死んだら化けて出てやる!
どうぞ。アナログオバケなんて、怖くもなんともないから。
・・・って言われておわりだネ。
当ブログは週2回の更新(月曜と金曜)を原則にしております。いつなんどきすってんコロリンと転んで、あの世へ引っ越しすることになるかもわかりませんけど、ま、それまではね。