こうして終わる
年をとると、若いときには簡単にできたことができなくなる。
ナニ寝言いってるのだ。お前の書くブログはいつもそういう話ばっかりだろ?
そりゃそうだけど、そういうものの中でも特にわしにとって身に沁みるものがあるってこと。
それは何かというと、新聞や本のページがめくれなくなることだ。
あるいはテグスとか木綿糸など、細い糸や紐がうまく扱えなくなることである。要するに指先が思うとおりに動いてくれない。
困って日夜ハンモンする・・・というほどのものではないのは勿論だけど、新聞や本は毎日向き合う相手だし、その相手が思うようにならないというのはけっこうイライラする。
そうなる理由はイヤになるほど単純だ。年をとると指先から水分が減って乾くかららしい。
また長年使っているうちに、いわゆる指紋がすり減って凹凸がなくなるからだ。・・・と何かで読んだことがある。
この問題に対応するには、指にツバをつけることでいちおうは解決できる。
が、2,3回くらいならいいが、ページをめくるたびにその作業を要求されると、嫌になる。・・・というか訳もなくハラが立ってくる。
紙に責任はないけれど、つい直接の相手である紙に当たる。イライラが特に強いときは、新聞全体をクシャクシャにする。するとページの間にすき間ができて、そこに指先を入れてページをめくることができる。それでなんとなくホッとする。
ところが手にする相手が絡まった木綿糸だったりする場合、うまく指先が扱えないと、カッとなってクシャクシャに丸めたり、力まかせに引っぱったりする。結果、糸をムダにする。それでよけいカッカきたりする。
カミさんはそういう亭主を横から見ていて、なにも言わない。
が、ハラの中で何を思っているのか、半世紀余も一つ屋根の下でフーフーやってきたわしには、手に取るように分かる。
「この人のこのバカみたいな短気は、いつになったら治るのだろうねぇ。そろそろあの世へ行く年なんだから、少しは治まってもいいのに・・・。でも、まあ、おそらくムリだわ、死ぬまで。・・・ゴクローサン」
「馬鹿は・・・しなきゃ治らない」ということわざがあるのは知ってるし、そんなこたァ言われなくても、当方だって分かっている。
しかし分かっていても、できないことがあるのが人間だ。
・・・と、何も言わないカミさんへチラリと目をやりながら、わしもハラの中で思うだけにして、やはり黙っている。
こういう、バカバカしい、という以外に言いようのないことをやっているうちに、いつのまにか時間が過ぎて、一日が終わる。
1週間が終わる。
1ヵ月が終る。
1年が終わる。
そして命も終わる。
人生が終わる。
やれやれだなァ・・・。
当ブログは週1回の更新(金曜)を原則にしております。いつなんどきすってんコロリンと転んで、あの世へ引っ越しすることになるかもわかりませんけど、ま、それまではね。
奥様の体調如何ですか?私も夫に同じことを感じる時があります。見ていると徐々に感情がエスカレートしていくので、そんな時はそばを離れることにしています。一人になると冷静になるらしい。男って皆同じなのかなぁ。
ボケモン島は我々のすぐ前を行く未来像です。もしかしたら追いついて、追い越すかもしれない。
同じように感じたり考えたりする人はいるものですねぇ。
何とはなくホッとします。
それはともかく、かなえさんのような人がこのブログをを
訪ねてきてくれてるのを知ると、気持ちが温かくなります。
いっしょにこの色々ある人生を生き人がいるような気がして・・・。