義母が永眠した

母の死

 このブログには何回も登場してもらった義母の命がついに尽きた。
 享年99歳。あと2ヶ月ほどで満百歳だった。
 
 その日まで特に異常はなく、翌日デイサービスに行くのが楽しみだと娘(わしの女房)に電話で話していたのだが、翌朝、脳梗塞で倒れているところを発見された。
 その時のことを、先月(5月)三回にわたってこのブログに書いたばかりだった。
  ( →「あと3ヵ月で百歳になる義母が・・・」(1)(2)(3)
 
 実は今年正月の当ブログ記事にも義母のことを書いている。
 元日の朝、おせち料理を食べている最中に、義母がとつぜん箸をおいて座り直した。そして改まった様子と口調で、娘(わしの女房)の持病への善処を夫であるわしに頼んだのである。九州に天才的な鍼灸師がいて、その先生に施術してもらうと例外なくみんな治るらしい。
 ・・・とテレビで言っていたのだが、名前も住所もメモすることができなかった。調べて娘をその鍼灸師のところへ連れていってやってほしい・・・と。
 女房は長く心臓に持病をもっているのだが、義母にこういう頼み方をされたのは初めてだった。( →「100歳の母心」
 
 身内の恥をさらすようだが、実は女房には弟がいて、姉弟の仲がよくなかった。
 のみならず母親とも折り合いが悪く、女房はもちろん母親ともここ何年も会っていない。
 だが、母親がいつ何があってもおかしくない年齢になってきたので、女房が連絡をとろうと電話をしても、姉とわかると問答無用とばかりガチャンと切ってしまうし、わしが住所へ手紙を出しても無視されるといった状況がずっと続いていた。
 
 義母が倒れる半月あまり前のことだった。隣県に住んでいる義母の妹から、近くの桜がきれいだから花見にこないかと誘いがかかった。義母は乗り気になった。もちろん一人では無理なので女房がいっしょに付いて行った。
 
 その妹の家に滞在中に、信じられないことが起こった。
 前ぶれも何もなく、女房の弟がとつぜん現れたのである。義母の妹(義弟にとっては叔母)もそのことをまるで知らなかった。そもそもここ何年も話をしたことさえなかった。まさに青天のヘキレキ、ほとんどみんなは腰を抜かさんばかりだった。
 
 義弟の話によれば、たまたま近くまで仕事で来たので、久しぶりにちょっと寄ってみようかとふと思ったのだという。

 ともあれこうして、何年も努力したのにできなかった親子・姉弟の顔合わせが、偶然に、そして突然に実現したのである。

 義母を脳梗塞が襲ったのは、それからわずか3週間ほど後であった。
 
 義母はその1ヵ月後に亡くなった。
 葬儀は、年が年なので家族葬で済ませた。血のつながりのない人には知らせなかった。
 
 例外的にひとりだけ、知らせようかどうか迷った女性がいた。
 義母はマンションに住んでいて、1階下のある家族と唯一親しくしていた。その家族の中年の主婦が、自分の母親を連想するとかで、とても親身に接してくれていたのだ。だが結局、葬儀は血縁者だけに絞るということで、彼女には伝えなかった。式が終わってから知らせることにしていた。
 
 じつはその家族は半年ほどまえに、可愛がっていた愛犬を亡くした。その2,3日後、ベランダに面したガラス戸の外に、夜にもかかわらず白い蝶が飛んできて、ハタハタと翅を動かしていた。ふと気づくと姿を消していた。
 
 つい最近も、同じように白い蝶がガラス戸の外にきて翅を動かしているのに気づいた。最初に目にしたのはご主人だった。彼はどんなに帰宅が遅くなっても晩酌を欠かさない習慣だったが、この日も帰宅が遅くて深夜に近かったが晩酌をしていた。その彼の目が、ガラス戸の外にきている白い蝶に気づいたのだという。

 そのときは、「また○○(亡くした愛犬の名)が来てるよ」と夫婦で話し合っていたそうだが、その日時が、じつは義母が息を引きとった時間と一致していることがあとになって分かった。
 
 義母はできるかぎり独りで生きることを主張して譲らなかった。
 子供らに迷惑をかけたくないという思いからだった。
 最後のほうはかなり難しい状況になっていたにもかかわらず、弱音を吐かずにそれを貫き通した。
 そしてふいにほぼ意識不明となり、約一ヶ月のちに息を引きとった。
 見事な一生だったと思う。
 冥福を祈るばかりだ。

(実は昨日が当ブログのアップ日だったのですが、前日が葬式で、昨日はその後片付け等で時間がとれず、一日遅れました。)

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